【その7】
サイコ

・半田サイコ:別れ話のもつれ

337 : 半田サイコ 2001/03/25(日) 03:42
オレの部屋での話。
 
彼女は部屋にいると、おおむね幼児化して甘えてくる。 

暫くは適当に合わせてやるが、ずっと顔を凝視されてニヤニヤされるのもたまらない。それでテレビとかに目をやってしまう。その時、面白そうな番組をやっていて思わずそちらに見入ってると、「ドンッ 」背中を痩身の力の限り踏まれる。 

ムカっときて振りかえると、何の邪心もないような満面の笑みでいる。それで、「お話しようよ」とか言われると、こちらのトーンも下がるというもの。 

また、同じような状況で顔を引っかかれたこともある。ふと、顔に痛みが走ったかと思うと、ツーっとしたたるものを感じた。 

「キャキャ血が出ちゃった♪」 


まったく悪びれた様子など微塵も見せない。お蔭で様で翌日、学校には顔にカットバンを貼って登校した。友人達に、どうしたの?と聞かれると、力なく笑うことしか出来なかった。 

これはオレの推測の域を出ないが、母親にされたこと、つまり暴力ということが、彼女の中でコミュニケーションの一環として存在しているのだろう。 

さもなくば、こちらが怒る気を失うほどの無邪気な笑顔など出来ないだろう。

338 : 半田サイコ 2001/03/25(日) 03:43
そして98年の年末と言えば。あの沈む船の映画があった。 

オレはアノ手の映画は好きくないんだが、SがCを誘い、そして書くのが面倒くさい諸事情で、オレと彼女も行く羽目になった。書くのが面倒と言うより、基地外彼女の勝手な妄想、虚言などがあって、オレ自身よく理解できない。 

新宿で待ち合わせて、そこから映画館までの道のり、例の如く彼女は怒りっぱなしだった。まさか、おまえの頭が基地外故の勝手な誤解だよ、などとは言えず、オレは終始無言で歩いた。

で、これ見よがしにSとCに話しかけ、オレを四人のなかで孤立させようとする。 「この人は馬鹿だからこういう話ついてこれないものねー」などと、オレの方を指さす。アイツはこっちが下手にでれば、どこまでも人を馬鹿にしたりする。 

そして映画が始まった。スクリーンで最初のばあさんの回想シーンをやっている時、静かな映画館でいきなりオレにキレ出す。まわりが迷惑そうにこちらを睨むほど、大声ではじめるのだ。

その時はなんとかなだめたが、映画の上映中ずっと、またいきなりキレ出さないかと緊張した。しかもあの映画、3時間もあるじゃないの。 

その後、四人でご飯を食べ帰路についていた時の事。 

まだ怒り続ける彼女に、映画館でかいた恥、さらには飯を食った新宿でのことを思い出し、他の2人には聞こえないように、「あのな、もうおまえには本当についていけなくて、愛想もとっくに尽きてるから別れようと思う」と、ついに言った。
 
さあ、こいつはどうでるのだろうか?

 発狂されるかもしれない恐怖、不安さまざまな思いで彼女の答えを待った。

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339 : 半田サイコ 2001/03/25(日) 03:44
・・・ごめんなさい・・・いろいろ迷惑かけたものね。」 

あれれ? 

余りにもあっさりした答えに頭が真っ白になり、その言葉から得られる安心感というのが、暫く湧いてこなかった。 

その後、駅までの道のり、いままでお世話になったとか、これからはあなたなしでやっていく、とかそんな話が続く。こういう人って、別れる時は以外とあっさりするものなのだな、と思った。 

そして駅で、「あとで私の荷物を送ってね。これで本当のサヨナラだね・・・」 と、彼女は言った。

その言葉に、いくばくかの憐憫
(れんびん:あわれみ)の情が湧いた。今まで自分が味わった苦汁など、一瞬で捨て去るかのような、か細くも素直な一言。 

SとCはオレ達とは距離を取っており会話の状況など何一つ知らない。改札口の前に集まり、みんなでお別れを言う。 

そして各々小田急線だ、京王線だ、JRだで帰る事になるのだが・・・ 

「じゃあCちゃん、私は八王子だからバイバイ!」 

・・・え? 

って、オレの家じゃねえかっ!

340 : 半田サイコ 2001/03/25(日) 03:47
今日はこれでおしまい。暇なのが明日までだから、明日中に最後までと、あと自身の回想ならび感想をかきまする。 

みなさまおやすみなさいませ。

341 : (´ヘ`;) 2001/03/25(日) 03:49
こ、こええ…… 読みながらチビりそうになっちった。

342 : 名無し 2001/03/25(日) 03:54
くぅぅ!何てトコロで終わるんだー! 狙ったなー!(笑。 

344 : あなたのうしろに名無しさんが・・・ 2001/03/25(日) 05:02
>>339 
オモロイなぁ。他人事として読める気楽さなんだろうけど、続きを期待してるよ。 

350 : あなたのうしろに名無しさんが・・・ 2001/03/25(日) 15:11
半田さんの話、オムニバス形式なところが新しくて面白い。

352 : あなたのうしろに名無しさんが・・・ 2001/03/25(日) 16:28
明日とは言わず、すぐにでも続きをお願いします!!

356 : 半田サイコ 2001/03/25(日) 23:40
ども、こんばんは。今日中にかききらんかった・・・ま、おいおい完結します。

357 : 半田サイコ 2001/03/25(日) 23:42
夜11時の新宿駅、無数の雑踏の中あたりもかまわず、怒鳴りあう二人の男女。二人の主張は平行線をたどり、いつまでも埒があかなかった。 

とにかく、別れたのだから自分の家へ帰れというオレと、最後はもっと二人っきりできちんと話し合った上で、という彼女。 

いい加減Cの終電も迫り、申し訳無く思ったオレは渋々、あと『1回』だけ会う、と約束してその場をまとめた。 

しかし、その『1回』は何度も訪れた。

今度が最後だから、今度が最後だから、と。 

会う度毎に、二人の話す内容は決まっていた。それはもちろん、別れるということ。しかし、毎回別れるということに同意はするのだが、いきなり携帯が鳴り、「今、八王子に向かう電車に乗っているから」などと、まったく状況は変わらない。 

家にあげるのも嫌だったので、外で説得に努めるのだが、「そうよ私達は別れているのよ」 といいつつも、彼女ヅラ。 

そして、1月6日だったと思う。その日の夜、東京は大雪であった。 

オレは友人のSとテストの情報交換などをしてファミレスにいた。夜の11時頃、もうそろそろ帰ろうかと思った矢先、Sの携帯電話が鳴った。 

二人でいる時携帯電話がかかってくると、一方はすることもなく、微妙に気まずい雰囲気がある。オレはコーヒーをすすったりし、彼の話に聞き耳たてずにいた。 

が、彼の様子がおかしい。こちらをチラチラ横目でみながら、会話の内容を聞かれたくないばかりに小声で話す。電話が終わると、彼にはあからさまに動揺の色がはっきりととれた。 

オレは半分ブラフで、「さ、いってみな」と。 

すると彼は、「す、すまん。実は今まで隠していた事があったんだ・・・」と言った。

※登場人物整理
半田サイコ=本人。大学生。
  A  =半田サイコの彼女。麻生久仁子似のOL。この人がサイコ。
  S  =半田サイコの親友。大学生。
  C  =Aの友人。病院勤務。美人。Sが狙っていた。

358 : 半田サイコ 2001/03/25(日) 23:43
彼の口から語られた話は、意外な内容であった。 

実はAは、どうしたらオレと別れずにすむかという相談を、Sにずっとしていたそうなのである。しかも、電話上ではなく、実際にあって一緒に飲みながら。 

彼いうに「相談はされたが、お前の意向を踏まえたうえで、Aさんの話を聞いていた」 と。

もう別にどうでもよかった。コイツが実は、年上のOLにほのかな恋心を抱いていようが、 オレと彼女をまたうまく戻そうということを約束していようが。 

SとAは、クリスマスプレゼントなども交換していた。不思議と、いや、当然オレはそんな話を聞いても、怒りの感情なんて湧いてこようはずもなかった。 

そんなことより大変だったのは、先ほどの電話の内容である。 

「彼女がこっちに向かっている」 

彼女には明日仕事がある。しかも、夜11時にこちらへ向かっているのなら、彼女はもう自分のアパートに帰れない。 いったい、どうするつもりだったというのだろう? 彼はうろたえながら、オレにどうすれば・・・と聞く。
 
オレは、コレを好機と捉えることにした。まず、これでSと一緒に駅で待っていれば、オレに内緒でSと会っていたという事実を追求できる。ま、別れの口実の一環として、ね。 

二つめは、Sを立会いさせて、別れる交渉を進めることができる。客観的な第三者に、別れたということを確認させたかった。
 
そうして、彼女に客観的な視点というものをわからせたい。

359 : 半田サイコ 2001/03/25(日) 23:44
駅で二人待つ。 

彼女が現れた。

彼女はSの隣にオレが立っているのを見て、一瞬歩みを止めた。 

彼女は改札を出るや、Sを掴み何やら耳打ちする。Sはその耳打ちされた内容、そしてAに対する罪悪感からか、いろいろ動揺している。 

オレはそんな、どうすればいいのだろうと動揺する二人に、落ち着き払い、ファミレスで話でもしようか、と提案。

ファミレスまでオレの後ろを、二人がなにやら小声で話しながらついてくる。道路に積もっている雪を踏みしめながら、オレはとうとう今日で決着をつけられるかも、という期待感で段々気分が昂ぶってくる。 

ファミレスにつくと、
すぐ彼女は手を洗いに席をはずす。その間、Sはオレに駅からの道のりに彼女から言われたことをすべて語った。彼女の話は、多摩のほうに友達がいる、そして今日はその友達の所へ泊まりに行く予定で、その前にSと話したいと思った、という内容。 

彼女が、お手洗いから戻る。 

オレが、沈黙を破る。 

「君は、いったい何故ここにいるんだ?」 
「多摩に友達がいて・・・」 

「そうか、その友達は何をしている人?」 
「高校が一緒で、浪人したからまだ大学生をやっている人」 

「どこの大学?」 
「多摩美」 

Sが信じられない、という表情で彼女を見る。それほどまで矢継ぎ早に繰り出されるオレの質問に、即座に答える彼女が恐ろしいという様子だ。 

それはすべて『嘘』だからだ。

360 : 半田サイコ 2001/03/25(日) 23:44
オレは、彼女が粗を出すまで質問を続けた。そしてついに彼女がそれをだした。 

「ん?それはおかしくないか。前にいった話しと矛盾してるぞ。なあ、S君?」 

Sにも念を押すあたりオレも如才ない
(じょざいない:手抜かりがない)。オレの口調が取り調べのようになっている。さあ、どうかえしてくるのかな? 

彼女は、言葉の代わりにコップの水で返してきた。 

ハンカチで顔を拭き、彼女に視線を向けると、ソレはいた。般若だ。 



「私の話を疑っているのっ!えっ!」 

Sは常々、Aさんは綺麗でお前が羨ましい、と言う男だった。オレはそれを言われるたび、あの顔は本当ではないし、本当の顔は綺麗でも何でも無い、何と言うか・・・ ドロドロと気持ち悪い、と答えていた。Sはオレが言っている事を理解してくれなかった。嫌味な謙遜とまで思っていたようだ。
 
しかし後日、あのファミレスで初めておまえの言っていた事を理解できた、と。

361 : 半田サイコ 2001/03/25(日) 23:45
オレは水をかけられてから一気にまくし立てた。 

「お前はこれこれがあーでこーで、普通とは違う。そんな異常なおまえはだいっ嫌いだし、本当に側にいて欲しくない」 

さらに、 「いいか、付き合っているというのは二人が好きになって成り立つ状態だろ。オレはおまえのこと好きではない、つまり今のおまえは単なるストーカーだっ!」 

ストーカー・・・ 

自分で言って思い出したが、彼女と初めて会ったミスドで彼女が開口一番、「ねえ、ストーカーってやばくない?」と言っていた。
・・・ アレは伏線だったのか。 

それから、Sの目の前で別れに同意させた。
 
今後、電話や手紙、そういったものすべて送るな、とも。オレの面前で手帳に書いてある住所を破りすてさせ、携帯からオレの番号も消させた。彼女はずっと泣きつづけ、オレの要求をこなしていった。
 
その姿を見ていたら、それまで張り詰めていた神経がふっと緩み、オレって何て酷いことをしているんだろう? こいつもいろいろ不憫なヤツなのに・・・などと思ってしまう。 

いかん! 

これでオレは今まで別れ時を何度も逃してきたのだ。ここは非情に徹しきろう。

362 : 半田サイコ 2001/03/25(日) 23:46
その時、時刻はすでに深夜の2時半。外の雪は絶え間無く降り続く。
 
オレは、さて帰ろうか、と提案。Sの前で別れを確認し、さらにSの口からも、「Aさん、これであなたはM(オレ)と別れたんだ」と言わせた。彼女はずっとうんうんとうなずく。
 
「行こうぜS」オレ達は席を立とうとしたその時、彼女が言った。 

「S君、お願い最後に二人で少し話させて!」 

Sはレジの前にある椅子に座って、オレ達のやりとりが終わるのを待つ。もう一度座りなおし、二人向き合う。さっきまでの泣き顔はどこへやら、彼女の顔は般若へと戻っていた。 

「ドウシテ?ドウシテ
・・・ワカレルッテイウノヨ・・・」 

まあ、オレが怒ると彼女はすぐキレている状態から戻るので、また怒気を含みながら、「てめえ、まだわかんねえのかっ!てめえの行動はSにも迷惑をかけているんだ、わかってんのか!帰るぜ」と言ってレジで会計をすまし、外にでた。 

帰路につこうとすると、彼女はオレとSの後を付いてくる。 

「お前はどこに
こうってんだ?」 

「お願い私行く所が無いの・・・あなたの家に泊めて?」 

「友達がいるって
ったはずだ」 

「そんな友達
・・・イナイっー!」 

無視を決め込み、オレとSは帰る。
 
突然、重みがかかる。彼女は必死でオレにしがみついてくる。 うわあぁぁぁあっ!気味が悪い! オレは彼女の体を掴み、雪がどっさり積もっている畑に投げ飛ばした。 

オレとSは後ろを一度も振り返らずに、走って逃げた。

363 : あなたのうしろに名無しさんが・・・ 2001/03/26(月) 00:06
恐いよー・・・ 

365 : あなたのうしろに名無しさんが・・・ 2001/03/26(月) 00:19
続くの・・・? (;゜ロ゜)ヒイイイィィィィ

367 : 名無しさん@お腹いっぱい。 2001/03/26(月) 00:52
ギャアアアアアアア(悲鳴) 

半田さん怖い…いや、半田さんの話怖いっっっ! 今夜確実に夢に見るね。あああ…一体、その女は何?妖怪? 続きを楽しみに待っています…

376 : あなたのうしろに名無しさんが・・・ 2001/03/26(月) 04:10
別れる際にここまで非情に徹することのできた半田氏には尊敬します。

369 : あなたのうしろに名無しさんが・・・ 2001/03/26(月) 02:35
このスレの半田さんや他の方の話を読んで、おぼろげに判ってきました。キチ外の作り上げた環境で育った人間は、高い確率でキチ外になってしまうんだなって。
 
あ、ココで言う「キチ外」ってのは性格が過度に歪んだ人を指してます。 

てことは、キチ環境で育ったキチ人間が子供を産んだら、また・・・。

414 : あなたのうしろに名無しさんが・・・ 2001/03/27(火) 17:18
>>369 
自分の子供を虐待してしまう親は、親自身も子供の頃虐待を受けた人がほとんどなんだ。そういう負の循環って、なかなか切れないんだよね。

372 : あなたのうしろに名無しさんが・・・ 2001/03/26(月) 03:08
>>369 
親が人格破綻な家庭でも、子供が客観性をどっかで獲得して、がんばって普通の感情身につけることもあると思う。思いたい。 

わたしの家も色々あって、育った環境は酷かったが、そう信じて生きるしかないっす。同環境で育った兄弟へのフォローもいるしさ(涙)。

373 : あなたのうしろに名無しさんが・・・ 2001/03/26(月) 03:10
>>372 
そういう意味でも、閉鎖系はヤヴァくなる確率高くなるよね。 学校は大切かも。学校自体が別の閉鎖系としてヤヴァイこともあるけど。

374 : あなたのうしろに名無しさんが・・・ 2001/03/26(月) 03:37
異常な家庭に育ちながらも、それを一般的家庭だと思っているヤツは、怖い。

384 : あなたのうしろに名無しさんが・・・ 2001/03/26(月) 14:06
半田さんモロオモシ。

あ〜早く半田さんが次のサイコに引っかかって、またオモシロトークかましてくれないかな〜。全国のサイコさん、半田さんに獲り憑いてメチャコワエピソードを作ろうよ! 

385 : あなたのうしろに名無しさんが・・・ 2001/03/26(月) 18:53
半田さんの話読んでると、「座敷女」って漫画思い出すなぁ

387 : ぱくぱく名無しさん 2001/03/26(月) 22:27
う〜ん、半田さんって災難だったなあ…… あの手の粘着異常系の異性は、ホント困るよね(;´Д`) 

私も「やかましい!二度と連絡すんな!!連絡したらストーカーって事で突き出すよ!!」とやった事あるけどさ。

408 : あなたのうしろに名無しさんが・・・ 2001/03/27(火) 11:09
半田さん災難でしたねー。一気に読まして頂きました(^^ 続きを楽しみにしております。

409 : あなたのうしろに名無しさんが・・・ 2001/03/27(火) 13:15
もー半田さん来ないのかなー。はぁ・・・早く誰かサイコに襲われないかな〜。 

415 : 名無しさん 2001/03/27(火) 17:35
>はぁ・・・早く誰かサイコに襲われないかな〜。 
それ言い過ぎ。

416 : あなたのうしろに名無しさんが・・・ 2001/03/27(火) 17:51
半田さんの話、まだ続きあるんだ・・・あ〜、なんか嫌な予感する・・・