【その19】
夕日


132: フロッガー 03/04/12 23:41
20年近く前になりますが、私が小学校3年生頃の夏休みの話です。 

その日、私は父と実家近くの防波堤に夜釣りに行きました(ちなみに実家は千葉の田舎です)。対象魚はアナゴ。イカの切り身を餌に、ぶっこみ釣りをしました。 

現場には20時頃に到着。有名な釣り場なので、他の釣り人や夕涼みがてらの見物人も多くいました。それぞれ仕掛けを投げ込みます。父は古くて重い投げ竿を使っていました。当時の私が抱えるとヨロヨロした記憶があります。 

仕掛けを投げ込んでしまうと、魚がかかるのを待つだけです。父は私を番に残して、トイレにいってしまいました。残された私は、ぼんやりと夜の海を眺めていました。


134: フロッガー 03/04/13 00:06
しばらく経った頃、すぐそばで何かガタガタ音がするのに気付きました。 

脇を見ると、父の竿が揺れ、リールの金具が防波堤のコンクリートと接触して音をたてているのです。なんだこれは?と思っているうちに、竿は海に向かってズルズルと動いていきました。 

何かが仕掛けに掛かっています。竿を押さえなけりゃ、と思いました。その反面、あんな重い竿を引きずる魚なんて信じられず、驚きのあまり身動きができなかったのです。そうこうするうちに竿は海に落ちてしまい、沖に向かって一直線に進んで行きました。 

いつのまにか戻って来ていた父は、あ然としていました。周囲の大人達も驚いていました。結局その日は、予備の仕掛けを出しても釣果は上がらず、早々に引き上げました。 

竿を持っていってしまった魚の正体は、未だに分かりません。個人的には大きなエイではないか、と思うのですが。 

海の底知れないところは、東京湾内でもこういったことがあることです。

136: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/13 00:56
>>134 
「竿」を「芋」と読んでしまったせいで、♪とうちゃんこのイモ何のイモ~ が頭の中をリフレイン。 

137: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/13 03:07
>>134 
結局正体が分からないのはとても怖いのですが、ずるずると沖へ引っ張られていく竿を唖然と見守るオヤジさんと周りの人、という絵はちょっと可笑しいですね。 

138: オキ 03/04/13 04:38
久々にカキコ。またもやまったり、トロくいくので、嫌なかたは飛ばして下さいませ(スミマセヌ)。 

皆さんは「夜さで」ご存知ですか? 

多分、うちの方言なんでしょうけど、説明しますと、夜にニナ貝やら子サザエやらを浜辺に取りに行くんですけど。夜になると、昼間深めの所に潜んでいる貝やらが、ワラワラと浅い所に上がってくるんですね(何でかは知りません)。 

「夜さで」に行くのは夏のみなんですけど(やっぱり冬は水が冷たいからかと思われ)、夏の夜の海って、昼間よりも水温が高いんですよね(これも何でか知らないけど)。浅い所だと温水プールなみでして、子供心にも気持ち良くて嬉しい。→続く

139: オキ 03/04/13 04:54
そんな、「夜さで」に出かけた時の話。

ただでさえ膝下位の所に、それはもう踏み場も無いくらい貝がいるので、潜る必要は無いんですけど、小学生の身長位の深さの所までいくと、サザエなんかも結構大物なんですよね。 

私や弟は子供だったので、やっぱり海に入ると「泳ぎたい!」と思ってしまい、懐中電灯片手に暗い海に頭までつかり、大物を狙うわけです。

それは、うちの父も例外無く(←子供と一緒の父なのです)、懐中電灯片手に、真っ暗な海中を探るというのは、なかなかスリルがありました(今にして思えばよくそんなことできたな、と)。
 
懐中電灯で見える範囲ってのは、空気中とは違い海中ではかなり限られますから。

140: オキ 03/04/13 05:10
ここからは父の話な訳ですが(やっぱり父なのです)。 

ニナ貝やサザエは、結構岩に生えた海藻の下あたりにいることが多くて(日本海側と太平洋側は違うと聞いたことがあるんですが、うちの田舎はそうです)父はその時、自分の身長位の深さの所で海藻をかき分けて、大物を狙っていました。 

潜りながら髪の毛のような細い海藻をかき分けているうちに、「ガリッ」 と何かに咬まれたそうです。「チッ、海蛇かアナゴか!?」 とその咬んだものの正体を突き止めるべく、ライトでその辺りを照らすと・・・ 

海中に揺らめく髪の毛の真ん中に、目を見開いた「カオ」があったそうです。

141: オキ 03/04/13 05:28
それを見た父は、それの正体をそれ以上確かめることもせず、さっさと私達を陸に上げ、とっとと家路についたのでした。その時私達は、なぜ急に帰る命令が出たのかもわからず、ブーブーと文句をたれて家に帰ったのですが・・・。 

父の人差し指には、人間が奥歯で咬んだような咬み傷が残っていました。 

「あれが、えべっさん(水死体)か、へんなバケモンみたいなもんかは解らん。でも、あげなもん夜の海中で発見したら、心臓が止まるだら」 

そんな父をみて、あんたの心臓が止まらなくてよかったよ、そして見たのが私じゃなくてよかったよ、と思う私でした。 

水死体なら、どっかに報告とかしなくていいの?と、私が思ったのはずいぶん後の事でしたが。 

144: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/13 06:01
>>144
すごい、お父上はそういった相手と直接に接触した訳ですか!! だとしたら、やっぱり「えべっさん」の可能性が高いんですかねぇ~♪ 

夜行性であるサザエなんかが夜になると上がってくるのは、餌を喰うためですね。また、昼より夜の海水温が高くなるのは、気温より水温の方が遅れて変化するためだと思われます。空気より海水の方が温まりにくく、冷めにくいですから。 

おそらく、夜さでする日は荒天でない日でしょうから、なおさら顕著なのかも。季節に対しても同じで、真夏よりも初秋の方の平均水温が高いとも聞きます。 

ところで、どう読むのでしょうか? 

「よるさで」、「よさで」、「やさで」?

145: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/13 11:32
オキさんは隠岐の人なのね?「よさで」は隠岐で使う語のようだ。松明などをともして夜に貝類などを拾い歩くこと、とあった。

149: オキ 03/04/15 02:45
>>145 
さすがに松明はないですよ、今時。 でも、趣旨はあってますね(w。 

143: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/13 05:42
海蛇だったとしてもやばいんじゃない、のか?(((((゚д゚;)))))

149: オキ 03/04/15 02:45
>>143 
海蛇ってヤバイですか?あんまり遭遇したことないです。

うちのおとん、よく百足やらその他の毒虫に咬まれるから平気なのかしら?

150: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/15 03:15
>>149 
自分の中では海蛇=猛毒ってイメージがありまして。毒があるのは特別な種類だけなのかな? 滅多にむこうから噛んでくることはない、とはどこかで読んだ気がしますが。 

>よく毒虫に咬まれる 
痛そーですw

154: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/17 00:05
海蛇の毒は物凄く強力でヤバイですぜ。

あとは蛸の仲間でも、噛み付かれると殆ど即死っていうヤバイ奴がいたはずです。あと綺麗な貝の中には毒針を飛ばして、攻撃するやつがいるので、綺麗な貝を水着の、胸元に入れている女性を見ると不安になる事があります。 

一度海に泳ぎに行った時に、近くの店でフグ料理を食べた時、お店の大将が「フグは少し舌がぴりぴりするくらいの方が美味いんですよね」と言った時は、別の意味で恐怖でしたね。 

御客を毒殺するつもりなんでしょうか?

157: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/18 13:44
>>154 
毒のある貝はイモガイ系だね。アンボイナガイってのが猛毒。ハブガイとも言う。 

タコはヒョウモンダコが猛毒。死ぬ時もあるよ。

※アンボイナガイ:
沖縄県で別名「ハマナカー」と呼ぶのは、本種に刺されると手当てどころか「浜の半ば」あたりで死んでしまうことを意味している。また、猛毒をハブになぞらえ、「ハブガイ」とも呼ばれる。英名の1つ "Cigarette snail" (たばこの巻貝)には、「刺されて死ぬまでに煙草一服くらいの時間はある」という意味が込められている。
454px-Cone_géographique
(wiki:アンボイナガイ)

158: 154 03/04/18 21:05
>>157 
凄いっす!名前までは知りませんでした。ヒョウモンダコって物凄く毒々しい体色の蛸ですよね。

164: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/20 12:00
ヒョウモンダコ=豹紋蛸

165: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/21 07:21
>>164 
海の中でも陸上でも、豹柄は危険と言う事か・・ 

そう言えば、俺の女房も豹柄がよく似合っていた。

166: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/21 16:40
>>165 

※ヒョウモンダコ:
ヒョウモンダコは唾液にフグと同じ毒のテトロドトキシンを含み、身の危険を感じるとこの唾液を吐いたり、噛み付いて注入する。噛まれた生物はテトロドトキシン中毒により死亡することがある。また、食しても危険とされる。

147: 不良船員の倅 03/04/14 19:50
友人が体験した、まあ(本人以外には)笑い話なんですけど。 

友人が大学生の時、夏休み中に仲間ら数人と青森県に旅行した。それで波打ち際に露天風呂があることで有名な、不老不死温泉に泊まった。

夜、さんざん飲んだ挙句、仲間のひとりが「酔い覚ましに露天風呂行こうぜ」って言い出したので、皆で入りに行った。 そのうち一人のバカが、「あー、熱いー」とか言って、真っ暗な夜の海に飛び込んだが、すぐ「ウギャー!」って悲鳴を上げ、気絶して浮いて来た。

友人らはすぐそいつを引き上げ、救急車を呼びそいつはフルチンで搬送されて行った。暗くて状態が分からなかったので、急性アル中と思ったらしい。 

翌朝、友人が現場を見に行ったら、露天風呂の周囲はおろか、海一杯に「カツオノエボシ」らしきクラゲが大量に浮いていた。 

まあそんな訳で旅行は中止して、搬送先の病院へ他の仲間たちと見舞いに行ったが、首から下全身がムチ打ったようなミミズ腫れで、主治医に「おまいらアフォでつか?ショック死寸前だったんだぞ」って、小1時間とは言わないものの、こっぴどく怒られたそうだ。

まあ、お盆過ぎの海なんて、クラゲだらけなのは常識な訳で(日本海側限定?)。 

だから夜の海は怖い、ってオチでした。

148: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/14 20:17
>>147 
お盆過ぎのクラゲは、たぶん太平洋側もそうだと思います。
 
奴ら見かけによらず攻撃力あるからなぁ…。今年も気をつけませう。

152: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/15 12:23
>>147 
救助した他の友達も被害に遭わなくて良かったと言う感じですね・・。
 
友達も共倒れで、そのまま全員意味不明な攻撃を受けて、なんて考えたら、怖いよ・・怖すぎるよ!

153: 不良船員の倅 03/04/15 23:52
>>152
そーです。不老不死温泉の露天風呂の周囲は岩場になってるので、岩の上から引っ張り上げて救助=二次災害はセーフだったんですね。満潮だったのも幸いしたようです(満潮時は露天風呂の縁の15センチ下くらいが海面になりますので)。 

ゆえに、満潮時で波が高いと露天風呂には入れなくなるんですが、でもここから入浴しながら見る日本海の夕日は最高のロケーションですよ。ちなみに混浴です(笑)。




171: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/22 08:17
大学2年の時、家族で伊豆の南端の方へ海水浴に行きました。

大きめの旅館が一軒二軒あるくらいの小さな海水浴場でした。地名は失念。

二日ほど海水浴を楽しんだ後、中2の義理の妹は宿題だかなんだかで、旅行した周辺地図を作成することになっていたらしく、周囲への散策へ行くといいます。僕は当時、新しく増えた家族へのサービスにいそしんでいましたの、で同行することにしたんです。 

旅館の隣はもうでかい岩場のような小山になっていて、そちらへ入っていきました。小山の上に展望台があり、そこからの写真撮影とスケッチを簡単にして、小山の反対側に降りる小さな道を降りていこうということになりました。

海からの風のせいか、あまり背の高くない木が生い茂っていてトンネルのようになっており、真夏の炎天下でも涼しく足元が多少薄暗かったのですが、急だったので妹の手をとって少し降りたんです。ああ、多少の下心はあったさ。ありましたとも。 

急な山道を7~8歩も降りたところでしょうか。妹が僕の手を ぎゅっ と握り締めてきます。足も止まっています。おや、これは・・・? と思って振り返ると、それまで楽しげに話していた妹の顔が、ニヤケ顔のままひきつっています。

「お兄ちゃん、しし、した見て、下。」 

行く手には人気の無い岩浜があるだけでしたから、カップルが野外セ○クスでもしてんのか?と、下心モードのまま振り返ると、「ぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞわっ」と、足元の土と岩に見えていた モノ が、一斉に、僕の足元から放射状に逃げていくのです。 

ああ、思い出すだけで身震いする。湿った土色の一匹2~4cmくらいのフナムシみたいなゴキブリみたいな奴らが、僕らの足元にびっっっっしりといたのです。 

あまりの出来事に僕は声も出ず立ち尽くしてしまいました。数秒後、見なかったことにして宿に戻ることになりました。

それ以来、妹に変な気を起こすのは辞めよう、と思った次第です。

172: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/22 10:12
まだ若造の俺はパシリ同然で、右往左往するのが精一杯だった頃の事。 

災害復旧工事のコンサルタントとして招集され、現地に出向いた。死者行方不明者を数多く出した現場は悲惨極まりない。被害のもっとも大きかった地域は、家屋は倒壊し道路も寸断され、復旧の見込みは見えないくらい思えた。 

災害から10日以上経ったある日、何時ものように仕事を終えて、同僚と連れ立ち港の横の銭湯に出向いた。小さな川が港の横を流れていて、前日の雨で山崩れの土砂と一緒に流れも急だ。そこで俺達は見た事を一生恨むものを見つける事になる・・。 

何気なく同僚が川を覗いていた・・声にならないような声を上げ、指差す方向を見た。 

小さな橋の下の砂だまりに、人と思える姿が横たわっていた。以前も同じような家畜の屍骸を幾度か見た事があったが、明らかに家畜ではなかった。どうする・・どうする・・と言いながらも近寄って行った。 

家畜の「おろく」と人間とは一緒にはならないが、人間の方が悲惨だ。その場に並んで海に向かって嘔吐・・もう、警察に通報出来るほど冷静ではいられなかった。通りがかりの住民に事の次第を説明する、と警察に通報してくれた。 

上流の被災地から雨で運ばれてきたのだろう、その少年の事を考えると、その時の状況は文字には出来ないが、あえて書くとしたら・・フナムシと小さな蟹の布団を頭から被っていた・・だけで解ると思う。 

当時の話を当時同僚だった友人が、何かの席でポツリともらしてしまった。その場の流れで、ついうっかり会話に入ってしまった俺。 

同席していた女房に、友人共々往復ビンタを食らったのは言うまでもない・・。

おろく:「南無阿弥陀仏」の六字で仏さん(死体)の意味。主に山での遭難死の仏を差す。

176: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/22 15:43
>>172 
このスレで沢山の面白怖ばなしを投下してくださってる方でしょうか? 

やや凶暴チックな奥様(失礼)に、自分はもうメロメロだとお伝えください。

177: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/22 17:51
>>176 
はい、そうです・・メロメロ・・そうですか、伝えておきます。激しくスレ違いなんだけど、ちょっと寄り道を許してもらって書き込みます 

女房と結婚して8年になります。新婚当時は「結婚する前は料理得意って言ってたよね・・」 と、打たれ強い俺に言わせるくらいに凄い料理が出てきたのも本当の事。 

負けん気の強い女房の言いがかりは「誰が料理が得意って言った?誰が言った?わたしは好きと言ったんだよ!」 その女房も尾が2本になり3本になると、釣った魚も調理出来る様になった。

まだ釣りたてで、生簀で生きている魚を船上で調理する時は「あ~・・生きた魚のエラに指を入れると・・この断末魔のぶるぶるが・・」とか微笑みを浮かべて調理に励んでいます。
 
女房が包丁を持っている時は、絶対に傍に寄らない心がけで8年過ぎました。 

食べれば出るのが自然の法則です。船に備え付けたトイレで用を足した後は、自動で船外に排出されるのですが、波の穏かな時は、粉々になってはいますが、それらしいブツがプカリプカリ。 

水温も安定して、魚も活発に餌を探している時は、そのブツに稚魚が群がってツンツンしています。のどかですが、よくよく考えると結構来るものがあるのが本音です。

怖いと言えば言えなくはないような・・・。 

180: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/22 19:40
>>177 
>そのブツに稚魚が群がってツンツンしています 
そのお魚が大きくなった時、今度は人間のお腹に…。 

173: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/22 13:26
防波堤に釣りに行った。日も高くなり、魚も釣れなくなってきたので、俺はゴロリと横になり、帽子を顔にかぶせて目を閉じた。うつらうつらとしているうちに、俺は眠りについていた。 

しばらくすると、首や足にチクリとした痛みが走り、俺は飛び起きた。 

ザザっと、フナムシの一団が、俺の周りから雲の子を散らすように逃げて行った。おぞましいことに、フナムシが俺にたかり、俺をかじった痛みだったのだ。 

後にも先にも、何かに食われかかったのはその時だけだ。

【その21(完)へ】