都市伝説

淡々と…

1: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 02:23
これは私の友達の友達 の身に起こった本当の話 です・・・。

第一夜 ベッドの下

これはあるアパートに住む姉妹の身に起こったお話です。

その日、仲の良い二人は一緒に買い物に行き、夜遅くに帰宅しました。二人はクタクタに疲れていたので帰ったらすぐに寝るつもりでしたが、姉は部屋に帰りバッグをベッドの脇に置くと、急に「アイスが食べたくなった」と言い出したのです。

妹は「私は別に食べたくない。帰って来たばかりで疲れているから一人で行けば?」と乗り気ではありませんが、姉は「夜道を一人出歩くのは心細いから」と言って聞きません。仕方なしに妹は姉と一緒にアイスを買いに行くことにしました。

すると姉は早足でコンビニとは逆方向に向かって歩き出すではありませんか。不審に思った妹は姉にそのわけをたずねました。すると・・・

「大きな声を出さないで!!今から交番に行くのよ。部屋に帰ってバッグを置いたときに見てしまったの。ベッドの下に大きな包丁を持った男が隠れているのを!!」

解説:


通常は「ベットの下の男」として流布している有名な都市伝説です。「新聞記事に載っていた」というのが一般につけられる枕詞ですが、例によってその記事を見た人はいません。

このほかにも登場するのが仲のよいOL二人組みだったり、飲み会帰りのカップルでベッドの下の男に気づいた彼氏が、かなり酒に酔っている彼女を「夜風に当たろう」とやさしく連れ出すバージョン等もあります。

また下に潜む男にもさまざまなバージョンがあり、精神病院から逃走した患者だったり、手になぜか大きな鎌を持っていたり・・・。

一番現実味の薄いバージョンでは男は素手ですが、何とすでに1週間もベットの下で生活していたというものもあります。この場合ややユーモラスでもありながら、何ともいえぬ薄気味悪さが・・・。

2: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 02:31
第二夜 ミミズバーガー

これは、私が小学校の時の友達から聞いた話なんだ。

その子の友達が、ハンバーガーを食べにM店に行ったんだって。ハンバーガーを注文して一口かぶりついた時…可哀想に、その子は思わず口の中のハンバーガーを吹き出してしまったのさ。

何しろ、齧りかけのハンバーガーの中から、ミミズの死体が顔を覗かせてるのを見てしまったんだからね!!しかもそのミミズは、体の半分がミンチになってパティにまざっているんだ。

その子はすぐに店の人の所に行って、ハンバーガーを見せて抗議した。そうしたら、お店の人に「このことは内緒にしておいてください」と言われて、二万円が入った封筒を渡され、ていよく追い払われたんだって。

多分あの店では、材料費をケチるために食用ミミズを使っていたに違いないんだ。

解説:

おそらく「口裂け女」等の怪談系の都市伝説を除くと、この話が一番有名なのではないでしょうか?

実際、私も小学生の時に「友達の友達」に起こったこととしてこの話を聞き、あっさり信じてしまい、それ以来親に「絶対にハンバーガーを買って来ないように」と注意していたほどです。

「それを出した店」として名指しにされるのは地域によってさまざまですが、多くの場合マ○ドナルドがターゲットとなっているようです。ちなみに、もちろんこの話しは根も葉もない噂ですから…念の為。

そもそも高タンパク食品の食用ミミズはコストが高く、牛肉の代わりに使ったりしたらかえって割高になると聞いたことがあるんですが…ちなみにこの話には、ミミズの肉ではなく猫の肉を使っているというバージョンも存在します。

3: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 02:34
第三夜 恐怖の一夜

これは、ドライブ中のあるカップルを襲った悲劇だ。

二人が乗る車は前から少し調子が悪かったのだが、運が悪いことに夜になってから、それも山道の途中で完全におかしくなって停止してしまった。

しかも車が停まる少し前に、ラジオから近くの刑務所より「きわめて危険な」囚人が脱走したと、注意を呼びかける臨時ニュースが流れていたので、二人は不安で仕方がない。

二人は車を押してみたり、エンジンをいじってみたりと色々試してみたが車は少しも動かないので、彼氏の方が山を降りてレッカー車を呼んで来ると言い出した。

彼女は怖くなって一緒に連れていって欲しいと頼んだが、彼は車にいるほうが安全だから、しっかりロックをして待っているんだよ、と言い残して一人で立ち去っていった。

・・・ところが、いつまでたっても彼氏は戻ってこない。そのうちに車の屋根の上から「ズリッ・・・ズリッ」と、何かをこするような音が聞こえてきた。

その音は不規則な間隔で、しかし止むことなくいつまでも狭い車内に響きつづけている。彼女は恐怖で一睡もすることができぬまま夜を過ごした。

やがて、ほとんど夜が明ける頃になって、正面の道から一台のパトカーが現れた。パトカーから二人の警官が降りてくると、彼女はやっと恐怖から開放されたとホッとして、事情を話すために車からゆっくりと降りた。

ところが警官は「お嬢さん、もう安心です。こちらにゆっくりと歩いてきてください。ただし、何があっても決して振りかえらないでください。」と不思議な事を言う。

不審に思った彼女は2、3歩警官の方に歩み寄ると、後ろを振り返り・・・そして見てしまった。彼女のボーイフレンドが、車の真上の木からぶら下がっているを。

あの音、は風に揺れた彼の死体の足が、車の屋根をこすっていた音だったのだ。

解説:

ヨーロッパ発祥の都市伝説と言われていますが、「ボーイフレンドが木に吊るされる」形になったのはアメリカにおいてであり、他の多くの都市伝説同様、アメリカ経由で日本に入って来たのだと思われます。

4: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 02:36
第四夜 自転車泥棒

ある中年の女性が、商店街に自転車を止めて買い物をしていた。買い物を終えた女性が自転車の元に戻ってみると、何と一人の若い男が今にも彼女の自転車に乗って走り出そうとしているではないか。

「泥棒!!それは私の自転車よ!」彼女が叫ぶと、男は慌てて走り出す。

彼女は泥棒にぶつけてやろうと、手に持っているバッグを自転車泥棒に向かって投げつけた。すると彼女の投げたバックは、泥棒の乗る自転車のかごにすっぽりと収まってしまったのだ。

男はそのまま悠々と自転車で逃げ去り、彼女は自転車だけではなくバッグまでもを盗まれてしまった。

解説:

まさに「泥棒に追い銭」という、女性にとっては踏んだり蹴ったりの話です。

投げたバッグが女性の力で走り去る自転車にまで本当に届くのか?いたとして、それがすんなりと買い物かごに入るのか?確率的にはかなり低そうに思えます。

5: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 02:38
第五夜 ピアスの白い糸

えっ?ピアスの穴をあけてくれるって?やめてくれよ。実は怖い話を聞いちまったんだ。

ある女の子が、友達の家でピアスの穴をあけてもらったんだって。確か安全ピンを火であぶるかなんかしたやつでだ。ところが、よく見ると開けたばかりのピアスの穴から、白くて細い糸のようなものが出ている。

そのままにしておくと気になるので、穴をあけてあげたほうの子が「取ってあげるよ」と言って、その白い糸のようなものを引っ張ったんだ。

すると、糸はスルスルと中からどんどん出てくる。引っ張りつづけていると、やがてなにかに引っかかったような感触があり、そのまま少し強く引くと「プチッ」ていう音がして、糸が切れた。

すると、穴を開けてもらったほうの子が「誰?電気を消したのは?いたずらをしないでよ~」なんて言い出したんだ。もちろん、誰も電気なんて消してはいない。

実はその糸は奥の方で視神経と繋がっていたため、糸がちぎれた時に、その可哀想な子は失明してしまったんだ。

解説:

確か私が高校生の時に広まった都市伝説です。広まるのも早かったですが、すぐにデマだと言う情報が出まわり、広まった時と同じくらいの早さで収束したのを覚えています。まあ、もしかしたら私の周りだけがそうだったのかもしれませんが。

冷静に考えてみれば、まずそんなところに視神経が通っているはずはありません。

6: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 02:39
第六夜 悪魔のほくろ

あるOLが、夏休みを利用して東南アジアへ旅行に出かけた時の話だ。

遊び疲れた彼女がホテルのバルコニーでうたた寝をしていると、なにかが顔を這いまわる感触に目が覚めた。なんと彼女の顔の上を、一匹の蜘蛛が這いまわっているではないか。

彼女は慌てて蜘蛛を振り払うと、頬にかゆみを感じたので鏡を覗いてみた。すると、頬のあたりに赤い小さな腫れ物ができている。今の蜘蛛に噛まれたためらしい。

休暇を終えて、帰国した後も腫れ物のかゆみは引かない。それど頃か腫れ物はどんどん大きくなり、やがて黒く変色してほくろのようになってしまった。

ある日の朝、彼女は鏡を覗きこみかなりの大きさになったその黒いできものを、なんとはなしに爪の先でつついてみた。するとそのほくろは皮がむけるようにして割れ、中から小さな黒い蜘蛛がうじゃうじゃと湧き出してきたのだ。

彼女はあまりのことにショックを受け、そのまま気を失ってしまったという。

解説:

都市伝説の中には、人体に異物が侵入する系列の話がありますが、この話もその系列に連なる伝説の1つです。

異物侵入系の話では、人体に侵入するのは蛇やウジやゴキブリなどの、一般に人々から忌み嫌われている生物であるのが特徴で、この話の多くのバージョンでほくろから蜘蛛が湧き出してくるのも、その伝統にのっとってのことでしょう。

別バージョンで「蜂のような生物」に刺される場合もありますが、やはり蜘蛛と比べるとインパクトが弱いからか、あまり知られていないようです。

7: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 02:41
第七夜 舐められた手

ある若い女性が就職のため、上京して一人暮しをすることになりました。都会での一人暮しはなにかと不安なので、彼女は実家で飼っている一匹の大きな犬を連れて行くことにしたのです。

都会での生活にも慣れてきたある日の夜のこと、彼女は浴室から聞こえてくる「ポタリ、ポタリ」という音に目を覚ましました。

「水道の蛇口を締め忘れたのかな?」彼女はそう思ったのですが、夜中に響く不気味な音はなんとなく人を不安にさせるものがあります。

そこで彼女はいつもそうやるよう、にベッドの下に手を差し出しました・・・そこが彼女の愛犬の寝床なのです。するといつものように彼女の手をぺろぺろ舐めてきたので、心強い相棒の存在に、彼女はすっかり安心して眠りにつきました。

翌朝、昨日の音を思い出して彼女が浴室へ行くと・・・なんと、浴室のシャワーから彼女の愛犬が吊るされていたのです。のどを切り裂かれて。

あの音は、切り裂かれた犬ののどから血が滴り落ちている音だったのです。彼女は警察に電話をするため、震えながら寝室へと戻ってきました。

すると、朝目覚めた時には気づかなかったのですが、床に一枚の紙切れが落ちているではありませんか。そこには荒っぽい筆跡でこう書かれていました。

「お嬢ちゃん、人間だって舐めるんだぜ」

解説:

犯罪者系都市伝説です。犯人はいったい何をやりたかったのか謎ですが、異常者の犯行ということなのでしょう。ベッドの下に隠れる犯人・・・というモチーフが「ベッドの下」(第一夜)との繋がりを感じさせます。あるいは「ベッドの下」のルーツとなった話なのかも知れません。

また、犯人が残すメモというモチーフも、やがて別の都市伝説を派生させることになります。

8: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 02:46
第八夜 喉を詰まらせたドーベルマン

アメリカでの話。

ある一人暮しの老婦人が外出先から帰ってくると、彼女の飼い犬であるドーベルマンが口から泡を吹いて苦しんでいた。どうやら、喉の奥に何かを詰まらせてしまったらしい。彼女はすぐに愛犬を連れて獣医の元へ向かった。

犬を診察した獣医は、何かが喉に詰まって犬の呼吸をさえぎっているので、すぐに喉を切開して詰まっているものを取り出さないといけない。それは飼い主に見せるのは忍びない手術だし、時間もかかるので明日になったら引き取りに来てくれと彼女に言いわたした。

さて、彼女が家に戻るとけたたましく電話のベルが鳴っている。電話に出ると、聞こえてきたのは先ほどの獣医の声だった。

「奥さん、私のこれから言うことをよく聞いて下さい」獣医は緊迫した声でこう言った。

「今すぐ家を出てとなりの家に向かって下さい。そして、隣の家で電話を借りて警察を呼ぶのです。」

突然わけのわからないことを言われて、彼女は当惑するばかり。すると、獣医は大きな声でこう言ったのだ。

「奥さん、早く逃げてください!犬の喉から何が出てきたと思います?人間の指が3本出てきたのですよ!」

それを聞くと彼女は慌てて隣の家に逃げ込み、警察を呼んだ。

到着した警官は、彼女の家を捜索して血の跡を見つける。血の跡は点々とクローゼットの前まで続いており、クローゼットの中には無くした指の付け根を押さえて震えている出血死寸前の若い男がいた。

この男は彼女の家に盗みが目的で侵入。そこでドーベルマンと格闘になり、指を食いちぎられたということだ。

解説:

アメリカの有名な都市伝説で、都市伝説研究の第一人者、J・H・ブルンヴァンの二冊目の著作のタイトル(チョーキング・ドーベルマン)にもなりました。そのせいか日本に紹介されることも多く、今ではアメリカの都市伝説の代表的事例のようになっています。

犬の喉から出てきた指がはっきり黒人のものと語られる類話もあり、その場合は人種に対するはっきりとした偏見が読み取れます。



9: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 02:47
第九夜 ルージュの伝言

ある男性がフロリダに旅行にでかけた時のこと。

とある現地のバーで、美しいブロンドの女性と出会った。
二人は飲んでいるうちに良い雰囲気になり、ホテルでともに一夜を過ごす。

翌朝、男が目覚めると彼女の姿がどこにもない。「しまった!何かを盗まれているかもしれない!!」そう思って彼は自分の荷物や財布の中身を確かめたが、何も無くなってはいないようであった。

安心した彼は顔でも洗おうかと洗面所にいき、そこで凍りついてしまう。洗面所の鏡に、真っ赤な口紅でこう書きなぐられていたからだ。

「Welcom to the world of AIDS!!(エイズの世界へようこそ!!)」

解説:

エイズという伝染病の名が、その偏見とともに知れ渡っていくのとほぼ同じ歩調で、日本はもちろん全世界に広まっていった有名な都市伝説です。

通常この話は「エイズ・マリー(メアリー)」と呼ばれています。その名前は1900年代初めに自分がチフスに感染している事を知っていながら50人以上の人にその病気を移してまわったという実在の人物、メアリー・マローン(通称チフス・メアリー)からとられたものです。

伝説発祥の地はアメリカとされており、そのためか初期のバージョンではアメリカ旅行中に出会った女性から感染する話でしたが、だんだん日本国内でナンパしたアメリカ人女性、やがてはナンパした日本人女性から感染すると話が変化していきました。

ちなみにこの話には、男性バージョンとも呼べる「エイズ・ハリー」というものもあります。その話では、別れた後に飛行機の中で「ハリー」から貰ったプレゼントを開けると中に紙切れが入っており、そこに例のメッセージが書かれているのです。

10: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 02:49
第十夜 日焼けサロン

ある10代の女性が肌を小麦色に焼きたいと思い、日焼けサロンに通うことにした。

ところが思ったほどには効果があがらない。そこで彼女は素早く自分の肌を焼くための素晴らしいアイディアを思いつく。4件の店と別々に契約を結び、それらの店を掛け持ちでまわるのだ。この思いつきのおかげで、彼女は素早く肌を焼くことができた。

・・・ところが、この頃から彼女の体に異変が起こった。何日ものあいだ体調がすぐれず、さらに体から変な臭いがする。この臭いは体を洗っても洗っても取ることができない。そこで彼女は病院へ行くことにした。

彼女を診察した医師は、驚いた様子で彼女に質問をした。このような症状になってしまったことに心当たりはないかと。彼女が全てを正直に話すと、その医者は彼女に対してとても悪い診断を下す。

「それでわかりました。あなたの内臓は日焼けサロンでじりじりと焼かれたため、ミディアム・レアに『調理』されてしまったのです。」

彼女は驚き、自分は治るのかと医者に恐る恐る尋ねた。すると・・・

「無理です」・・・医者は溜息まじりに答えた。「あなたは一度焼いたステーキを生の状態に戻すことができますか?」

彼女は数週間も持たずに死んでしまったという。

解説:

この日焼けサロンで調理される女性の話は、最新の器具や科学技術を「誤って」使用したために誰かが酷い目に合うという、昔からあるプロットの都市伝説のごく最近のものです。

この話の背景には「ピアスの白い糸」(第五夜)同様、若者の流行に対する反発がこめられている・・・とする説もあります。

ちなみにいくら日焼けサロンに通いつめても、日焼けのしすぎで肌がやけどをすることはあっても、肌が無事で内側だけ調理されるなんてことはないでしょう。

【その2へ】