【その3】
都市伝説


31: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 03:46
第三十一夜 人面犬

あるトラックが、東名高速を東京方面に向かい走っていた時のことです。

ふと運転手がサイドミラーを覗くと、追い越し斜線を柴犬くらいの大きさの犬が、猛スピードで走っています。その犬はあっという間にトラックを追い抜いていきました。驚いた運転手が見ていると、その犬はくるりとこちらを振り返りました。

なんとその犬の顔は人間そっくりで、しかも運転手と目が会うとニヤリと笑ったのです。運転手は驚きのあまり事故を起こしてしまいました。運転手は後で知ったのですが、彼が事故を起こした付近では、このような事故が多発しているそうです。

ある日、東京のあるレストランのゴミ箱を、一匹の犬があさっていました。

犬に気づいたレストランの従業員が「シッシッ」と犬を追い払おうとすると、その犬は従業員の方をくるりと振り返り、「うるせえな」と言って去っていったそうです。その犬の顔は人間そっくりでした。

これらの話が起こる少し前のある日の夕方、茨城県のある街で、二人組の白衣の男が目撃されています。

彼らは筑波大学の学生だと名乗り、道行く人々に「変わった犬」を見かけなかったかと、必死でたずね歩いていました。彼らの話によると、大学で実験用に飼っていた犬が逃げ出したとか・・・。

後になってから、人々は彼らが探していたものこそ「人面犬」であり、おそらく「人面犬」は大学の実験室で、遺伝子の組換え実験によって生み出されたのであろうと噂し合いました。

解説:

1990年代初頭に突如として全国を席巻した人面犬の噂は、マスメディアを巻き込み社会現象化し、人面魚などの副産物を生みながらもやがて沈静化して、跡形もなく消えてしまいました。

発生源が子供の噂話であること、マスメディアに取り上げられる事で噂がさらに過熱していったこと、全国規模に広がりながらも比較的短い寿命しか持たなかったこと等、この噂はかの「口裂け女」と共通点を多くもっており興味深いです。

多くの人は、人面犬の噂は突然現れたような印象を持っているかと思いますが、実は数年の潜伏期間がありました。初期の頃の人面犬の話は、街を人間の顔をした犬がうろついている、その犬を見た人には何らかのトラブルが起こると、いった素朴なものでした。

この「トラブルが起こる」といった部分が、後期の目撃した運転手が驚きのあまり事故を起こすといった話に繋がっていったのだと思われます。

余談ですが、この事故を起こすバージョンで、人面犬が時速120~130kmで走るといわれているのは、100mを10秒で走るとか、時速100キロで追いかけてくると言われる口裂け女からの影響かもしれません。

さて、日本には古くから件(くだん)という、人面の生物に関する言い伝えがあります。

伝説によると件は人の顔をした牛で、この牛が生まれると、戦争や疫病などの大きな災厄が起こると言われています。また件の寿命は短くすぐに死にますが、死の直前にこの災厄から逃れる方法を予言するとも。

初期の人面犬の噂に出てくる「見るとトラブルが起きる」という特徴は、件が生まれると大きな災厄が起こるという特徴と共通性を持ちます。件が人面犬のルーツであるというのは、十分に考えられることでしょう。

あるいは人面犬は、平成の大不況を予言するために現れた件なのかもしれません。

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32: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 03:47
第三十二夜 死を招くティー

あるゴルフが趣味の男性が、4日間の休みを取り、仲間達とゴルフ三昧の休日を過ごすことにした。

久々のまとまった休み、しかも好きなゴルフとあって浮かれ気味の彼は、1打目を打った時に何気なくティーを口にくわえ、仲間達に「土の味もなかなか良いもんだね」と笑顔で語りかけた。

それ以来、なんとなくティーをくわえる癖がつき、その日はコースを回っている間中ティーを口にくわえつづけていた。

その日も彼はティーを口にくわえながら上機嫌でコースを回っていたが、途中からだんだん気分が悪くなってきて、最後には顔色が土気色に変色して、立ち上る事もできなくなってしまった。

すぐに救急車が呼ばれたが、病院に運ばれる途中で彼はどす黒い血の塊を吐き、そのまま帰らぬ人となった。

ゴルフコースに散布されていた大量の農薬が彼のティーに染み込み、それをくわえ続けていた事で、彼は致死量の農薬を摂取してしまったのだ。

解説:

分類としては汚染にまつわる伝説ですが、忌まわしいものによる汚染というよりも、実際の「毒」による汚染という点が異色です。

ゴルフ場に大量の農薬が散布されているのは事実で、この伝説にはそれに対する不安、又は農薬による環境汚染に対する批判が込められているのかもしれません。

33: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 03:48
第三十三夜 喉にささった小骨

ある男性が、東南アジアに旅行に行った時のことです。

彼はそこで素晴らしい休暇を過ごし、いよいよ帰国の日となりました。帰る前に現地の名物を食べたいと思った彼は、ガイドから観光ルートからはそれた、いわゆる穴場の小さな店を紹介してもらいました。

その店はいわゆるエスニック料理の店で、彼はそこでチキンの料理を注文しました。出て来た料理の味は素晴らしく満足のいくものでしたが、具合が悪いことに鳥の小骨が彼の喉にささってしまいました。

骨はなかなか抜けず、病院へ行きたかったのですが、飛行機の時間は迫っています。仕方がないので彼は帰国するまで我慢し、日本に着くとすぐにかかりつけの医者の元へ行き、骨を抜いてもらいました。

骨を抜いてもらいすっきりした彼は、主治医に旅行の話をし出しました。
素晴らしい旅行だった。最後に食べたチキンも小骨がささったのは災難だったが、素晴らしい味だった・・・。

ところが医者は彼の話を途中でさえぎり、彼の喉から抜いた骨を見せながらこう告げました。

「あなたの食べた料理はチキンではありませんよ。これはネズミの骨です」

解説:

「ミミズバーガー(第二夜※【その1】)」と同じタイプの、忌まわしい食材にまつわる都市伝説です。「最後に医者によりネズミと告げられる」というモチーフは「インド犬(第十八夜※【その2】)」と共通しており、どちらかがどちらかの話の成立に何らかの影響を与えているのかもしれません。

34: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 03:49
第三十四夜 ふんだりけったり

ある女性が、デパートで運転免許証、家の鍵、財布など大事なものが入ったハンドバックを盗まれてしまった。彼女は警備員に事情を話し、警察に被害届を出して家に戻ってきた。

彼女が家に着いてしばらくすると、デパートから電話がかかって来た。ハンドバックが見つかったので、確認のために来てほしいということだ。

喜んだ彼女が急いでデパートへ戻ると、デパート側はそんな電話はしていないという。

嫌な予感がした彼女は急いで家に帰ったが、時すでに遅し。彼女の家はすっかり泥棒によって荒らされていた。

解説:

「二重盗難」として知られる、不運な女性とずる賢い泥棒の伝説です。この話の他にも、車の出てくる次のようなバージョンがあります。

ある男性が車を盗まれた。しばらくすると車が戻ってきており、車の中には「緊急の事態のため車をお借りしました。申し訳ありませんでした」と書かれた手紙と、お詫びのしるしとして、家族の人数分の野球の試合のチケットが置かれていた。

喜んだ男性が家族を連れて試合を見に行き、家に戻ってくると家はすっかり荒らされていた。

35: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 03:52
第三十五夜 人間シチュー

ある一人暮しの老人が、入浴中に湯がぬるいと感じ、追い焚きをしながら湯につかっていました。ところが彼は風呂の中で心臓発作を起こし、そのまま亡くなってしまいました。

数日後、たまたまその家にやって来た肉親によって、煮え立った湯に肩だけ出した状態で浸かっている老人の死体が発見されました。やって来たその肉親は、慌てて老人を風呂から引き上げようとしました。

すると、老人の肩から下の肉は熱湯の中で煮崩れていたため、骨だけがズルズルと抜けて出てきたのです。風呂釜の中は、まるでシチューのようになっていました。

解説:

孤独な死にまつわる伝説です。バージョンによっては風呂から外へ出ている部分はなく、風呂の中で完全にシチューになっている場合もあります。

実際に起きた事件が元になっているともいわれますが、ほとんどの都市伝説がそういうふれこみであるため、真偽は不明です。

36: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 03:53
第三十六夜 新種のウィルス

ある医学生のクラスで、二人一組になってパートナーの唾液の中の細菌を顕微鏡で検査する、という実習が行われた。

ある女子学生と組んだ学生が、その女子学生の唾液の中に、今まで見たことのないウィルスのようなものを発見する。そのかなり活発に活動をしているウィルスは、手元のどんな資料にも載っておらず、新種のウィルスであるように思われた。

学生は興奮気味に教授の元へ駆け寄ると、「新種のウィルスかもしれないので見てもらえませんか」と言って、教授に顕微鏡を覗いてもらった。

ところがその教授は顕微鏡を覗くと、実にあっさりとそれが新種のウィルスであるという説を否定した。

「君、これはただの精子だよ」

解説:

「壁に耳あり」同様、医大や医学部に伝わるジョーク系の都市伝説です。医大に限らず、大学にまつわる都市伝説というのは、ジョーク的なものが多いようです。

37: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 03:54
第三十七夜 凍りついた耳

これは、北海道のある寒い冬の日の朝のお話です。

ある子供が学校に遅刻しそうになって、慌てて家から飛び出してきました。

その子の学校では、冬の間は防寒具として耳当てをつけることが義務付けられているのですが、急いでいたその子は、うっかりそれを忘れていました。学校に向かう中、その子の耳は寒さのあまり、だんだん感覚を失くしていきました・・・。

学校で教師が校門に立っていると、その耳当てを忘れた子供がこちらに向かってきます。教師が「おい、耳当てはどうしたんだ?」と言ってその子の耳を後ろから軽く叩くと、その衝撃で耳がポロリと外れて地面に落ちてしまいました。

寒さのあまりその子の耳は凍りついてしまったのです。

解説:

北海道などの北の土地の寒さについての例え話の中には、誇張された逸話がいくつもあります。立ち小便をするとその、小便の先から凍っていくというのはその代表例ですが、これは落語などにも登場しており、笑い話としてのニュアンスが強いです。

逆にこの話は「本当かも」と思わせるような怖い話となっています。

余談ですが、北欧には防寒用の帽子をかぶらなかったために「脳みそまで凍りついてしまう」という都市伝説があり、寒い土地では人体も凍ってしまうという発想は、世界共通のものなのかもしれません。

38: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 03:55
第三十八夜 盗難防止

あるところに、自慢のオートバイを盗まれた人がいました。

その人は泣く泣く2台目を購入したのですが、その嫌な思い出のためオートバイの盗難防止には、必要以上に神経をつかっていました。彼はバイクで出かける時は常に3本のチェーン錠を用意し、バイクを停めるとその3本のチェーンを使って、近くのガードレールなどにぐるぐるに巻きつけるのです。

このチェーンも特性の太くて丈夫なもので、ちょっとやそっとの時間ではとても切断する事はできません。彼はこれなら絶対に盗まれることはないと、周りに自慢していました。

ある日の事、オートバイで出かけた彼は、いつも通り3本のチェーンでバイクを固定してからバイクのそばを離れました。

しばらくして戻って来てみると、バイクはその場所にありません。

慌てた彼ですが、反対側の通りに、彼のバイクがいつも通りに3本の鎖によって固定されてるのを見つけると、「停めた場所を勘違いしていたのか。そうだな、あのバイクが盗まれるはずがないんだから」と、ホッとしました。

ところが、彼がバイクの元へ行くと、バイクのハンドルにメモが張りつけられていたのです。

「この程度のバイク、本気で盗もうと思えばちょろいもんだぜ」

解説:

自分の腕を誇示する、ユーモアのセンスのある泥棒の伝説です。

一度バイクを盗まれたために、必要以上の盗難防止に神経を払うというのは十分にありえそうなことですが、そこに登場する腕の良いバイク泥棒の存在には疑問を抱きます。捕まる危険を犯してまで、そのような何の特にもならない面倒な事をするとは到底思えないからです。

しかし、それでもこの話に出てくる泥棒が、なかなか魅力的である事には変わりありません。もちろん、実際の泥棒はよくありませんが。

39: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 04:03
第三十九夜 爆乳

ある女性が豊胸手術を受けました。

彼女は医師から「シリコンが安定するまでの1ヶ月は、絶対に飛行機に乗らないでください」と注意を受けます。ところが、彼女は仕事の都合で、どうしても飛行機に乗らなければならなくなりました。

機内で彼女の隣に座った男性が、彼女のたわわな胸に見とれている時にそれは起こりました。飛行機が高度を上げたために機内の気圧が変化し、そのため彼女の胸の中のシリコンが膨張し始めてしまったのです。

男性の見ている目の前で、彼女の胸はグニョグニョとうごめきだし、やがて風船のように膨らむと「バンッ!」という大きな音と共に爆発、辺りは血の海となりました。

その女性は出血多量で意識不明となりましたが、飛行機が着陸するとすぐに手術を受けて、なんとか一命は取り留めたそうです。

解説:

有名な爆発する胸の伝説ですが、この話には豊胸手術を受けた女性が日焼けサロンに行き、そこで加熱されたために胸が破裂する、というバージョンもあるようです。

警告されるテーマが近い事もあるので、この話と「日焼けサロン(第十夜【その1】)」の伝説の間には、何らかの関連があるのかもしれません。

40: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 04:04
第四十夜 サザエさんの最終回

ある日、カツオが商店街で買い物をして福引券をもらいました。その福引券は見事1等のハワイ旅行!磯野さん一家とフグ田さん一家は、そろってハワイへ行く事になります。

ところが、みんなを乗せた飛行機は途中で海に墜落してしまったのです。

海に沈んだサザエさん達は全員死亡。そしてサザエは貝のサザエに、カツオは魚のカツオに、ワカメは海藻のワカメにというように、それぞれの名前のものに姿を変え、海へ帰っていきました。

解説:

実際には存在しないサザエさんの最終回が、このような内容であるという噂が流れ出したのはいったいいつ頃からでしょうか?少なくとも私が小学生の時には、友人の間でこの噂が流れていました。

この内容は実際にサザエさんが最終回を迎えるとしても、こうなるとはとても考えられないようなものなので、私は信じませんでしたが、この話をしてくれた友人は固く信じていました。

もうサザエさんの放送は終了したと思っていたのか、あるいはこういう内容の最終回がもう作られていて、放送される時を待って保管されていると思っていたのか、それとも原作のサザエさんの最終回がこのような内容の最終回であると思っていたのか、今となっては謎です。

【その5へ】