61: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 05:54
第六十一夜 当たり屋FAX

当たり屋グループが来ております。注意してください。

1)下記のナンバーの車と事故を起こした場合には、その場で示談などせずに直ちに警察に連絡すること。
2)警察が到着する前に勤め先(会社)名や自分の住所・氏名・電話番号など絶対に言わないこと。
3)このコピーを車に必ず備えておくこと。
4)友人、知人に知らせてあげること。

<注意ナンバー>
山口 ○○-○○
山口 □□-□□
山口 △△-△△

このナンバーが前を走行している時は、急に止まられて当たらない車間距離を保って運転しましょう。また、後ろの車が異常に接近してきた時には十分注意してください。サイドブレーキで止まるので、ストップランプがつきません。

ある日、こんなFAXが会社に送られてきた。また当たり屋グループが来ているらしい。当たり屋というのはわざと追突事故を起こして、相手から見舞金や示談金を稼ごうとする連中だ。

彼らは2台1組で行動している。2台の車でカモの車を挟むように走り、まず1台目が急ブレーキをかける。カモの車も慌ててブレーキをかけるが間に合わずに衝突、すると2台目の車が後ろから追突してきて、結果2台分の修理代を脅し取られるのだ。

実際に何十万円も取られた人がいるという噂を聞く。車を運転する時は気をつけないと・・・。

解説:

当たり屋FAXは都市伝説です。

この当たり屋に関する流言FAXは、昭和61年頃に山口県にチラシとして配布されていたものが確認できる最も古い事例ですが、山口県警の調べによると、リストにある山口ナンバーの車には実在していないものが多く、実在する車についても詳細な調査の結果、当て逃げ事故とは無関係であることが判明しています(川上善郎、佐藤達哉、松田美佐:著「うわさの謎」P.208参照)

その後、このチラシはFAXの普及と共に、タクシー会社や自動車ディーラー、運送業者などの車関係の会社を経由して全国に広がり、日本中のドライバーを震えあがらせました。

面白いのは、このFAXの内容が収集された時期や場所によって、微妙に異なっていることです。

特に違いが目立つのは注意ナンバーとされている自動車の数で、最初の頃はわずかに4台だけでしたがだんだん数が増えていき、最近では35台というのが最もポピュラーなバージョンとなっているようです。

書かれているナンバーにも、写す過程での誤記が目立ちます。もしこのFAXの内容が真実ならば、FAXの中で一番大事な部分は、当たり屋のナンバーの一覧表であるはずです。

その部分が適当に書かれているということは、このFAXを作成した人間にとって、その部分は実はどうでもいい、ただの飾りだという事でしょう。



62: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 06:11
第六十二夜 星を見る少女

ある日の夜、一人の男が帰宅するために道を歩いていた。

ふと見ると、近くのマンションのベランダに高校生ぐらいに見える女の子が立っていて、夜空を見上げている。星を見ているのかな。最近では珍しくロマンチックな子だ。そんな事を考えながら、彼は家に帰って行った。

次の日の帰り道、彼が昨日の事を思い出し、マンションのベランダに目をやると、昨日の少女がまた夜空を見上げていた。その次の日、彼が通りかかるとまた少女は空を見上げていた。

彼は不審に思った。何しろその日は雨だったのだから。

あらためて少女を観察した彼は、ある事に気づいた。少女は星を見ているではなく、首を吊って死んでいたのだ。

解説:

一見何気ない日常の光景に見えるが、じつはその光景の中に死体が・・・思わず背筋がゾッとするような話です。この話にも多くの類話があり、様々なシチュエーションの中に潜む死体を教えてくれます。

63: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 06:17
第六十三夜 喉を詰まらせた女性

一台の乗用車が電柱に激突するという事故が起き、乗っているカップルが負傷をしているという知らせを受け、救急隊員が直ちに現場にかけつけた。

車内から助け出された男性は怪我をしているらしく、下半身が血まみれになっていて意識不明。女性のほうは外傷はないようだが、車内で食事でもしていたのか、喉になにかを詰まらせて気を失っていた。

このままでは呼吸ができずに死んでしまう。
一人の救急隊員が、急いで女性の喉に詰まったものを吐き出させた。男性は出血多量で死んでしまったが、女性のほうは喉に詰まらせていたものを吐き出し、一命を取りとめた。

彼女の喉に詰まっていたのは、赤黒く変色したペニスだった。

解説:

いわゆる、追突で食いちぎってしまったというお話です。この話には、駐車中の車でことに及んだ時に後ろから追突され食いちぎってしまう、というバージョンもあります。

こちらの話の方が無理が少くなくありそうな話ですが、どちらの話も実際に起こったことを証明できるような資料は存在しません。

64: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 06:36
第六十四夜 指輪泥棒

ある女性が、ヨーロッパの大都市に旅行に出かけた。

ホテルにチェックインした時、彼女の左手の薬指にはめられた高そうな指輪に目を留めたホテルのフロント係は「奥さん、最近この辺りは治安が悪いので、その指輪は外しておいた方が良いですよ。泥棒に狙われますから」と彼女に忠告をした。

だが彼女は大事な結婚指輪を外す気はなく、適当に返事をすると街へショッピングに出かけた。この忠告を無視した代償は高くつく。

彼女が街を歩いていると、一人の若い男に突然腕を捉まれた。男のもう片方の手には、大きな工業用のカッターが握られている。

男は、何が起こったのかもわからないほどの早さで彼女の指を切断すると、指輪を「指ごと」持ち去ってしまった。

解説:

海外では、観光客を狙う悪質な犯罪が実際多く起こっています。そこにこの伝説が生まれる温床があるようです。他にも、高級腕時計をしていた男性が「手首ごと」時計を盗まれるというバージョンもあります。

65: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 07:23
第六十五夜 腐臭のする部屋

ある夫婦が、アメリカの西海岸へ旅行に出かけ時のことです。

ホテルにチェックインした二人は、案内された部屋に異様な匂いが漂っているのに気づきます。なにか物を腐らせたような臭い。原因を調べようかとも思いましたが、せっかくの旅行の時間をそんなことに費やすのはもったいないので、部屋の窓を全開にすると、二人は街へ出かけていきました。

夜、部屋に帰ってくると臭いは幾分かは和らいだもののまだまだ強く、とても眠る事などできそうにありません。夫のほうがフロントに苦情を言うと、すぐにホテルの人間が部屋を調べにきました。

臭いはどうもベッドの辺りから漂っているようなので、ホテルの人がベッドのシーツを剥がし、マットレスを外してみると、なんと中から女性の腐乱死体がでてきたのです。

ホテル側は、口止めのため代わりの部屋として最高のスイートルームを用意し、宿泊料金ももちろんタダとなったということです。

解説:

隠された死体にまつわる伝説です。

人間の死体から漂う腐臭はすさまじく、とても耐えられるものではないとはよく聞きますが、それほどの臭いがするなら、客より先にホテルの人が気づくのでは?と思ってしまいます。

ベッドからでてくる死体が、抗争で殺されたギャングのものであるとされる場合も多いようです。

66: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 08:49
第六十六夜 処女懐胎

ある十五歳の少女に、妊娠の兆候が現れた。

お腹がふくらみ、吐き気に悩まされ、食欲が増加した。両親は彼女に問い詰めたが、彼女は、自分は品行方正でまだ男の事そんな事はしていない、だから妊娠などしているはずはないと、涙ながらに訴えた。

娘の話を信じなかった両親は、彼女を病院の産婦人科へ連れていった。少女を診察した医師は一度は彼女は妊娠していると診断を下したが、少女があまりに自分は妊娠などしていないと訴えるので根負けし、精密検査を受けさせる事となった。

精密検査の結果、彼女は妊娠しているのではなく、胃に大きな腫瘍ができているのだという事が判明した。腫瘍の正体が解からないので、緊急に手術が行われる事となった。

手術の結果、彼女の胃から摘出されたのは、なんと大きなタコだった。

その年の夏、彼女は友人達と海へ遊びに行っていた。その時、彼女が飲んでしまった海水の中に、タコの卵が含まれていたのであろう。その卵が彼女の胃の中で孵化し、彼女の食べたものを吸収して成長していたのだ。

解説:

他に少女の胃から出て来たのがヒルであった、というバージョンもあります。あっさり妊娠と誤診する医者が間抜けです。「そのタコはホルマリン漬けになって病院に保管されている」といった後日談がつく事もあるようです。

67: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 09:18
第六十七夜 砂嵐

ある男性が、テレビをつけっぱなしにして寝てしまった時の事です。

夜中雑音に目を覚ますと、画面には番組放送終了後の砂嵐が広がっていました。まだ目がはっきりとは覚めていなかった彼は、しばらくの間ぼんやりと画面の砂嵐を見つめていたのですが、そのうち奇妙な事が起こり始めます。

画面の砂嵐がだんだん弱まって消えてしまい、やがてそこに大勢の人の名前が、テロップで流れ出したのです。

いったい何が起きたんだ?不思議に思いながら画面を見つめていた彼は、その大勢の名前の中に自分の名前が入っているのを見つけます。しばらくすると、画面は何事もなかったかのようにもとの砂嵐に戻ってしまいました。

チャンネルを確認すると、ついているのはNHK。気味が悪くなった彼は翌朝NHKに電話をして、あの名前のリストがいったいなんなのかを確認しました。

電話に出たNHKの職員の答えは簡単でした。NHKでは放送終了後に、受信料未払い者の一覧表を流しているのだそうです。

解説:

かなり昔からある都市伝説です。もちろん、実際にそのようなリストが流されることはありません。すべての放送が終わった後に、何かがひっそりと流されているという考えが想像力を刺激するのかもしれません。

68: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 09:26
第六十八夜 牛の首

「牛の首」という怪談をご存知ですか?

知らないのならばあなたは幸いです。

この牛の首というのは、おそらく世界で1番恐ろしい怪談でしょう。この話を聞いた人の中には、発狂してしまった人が何人もいます。無事だった人でも、この話しがあまりに恐ろしく、思い出すのも忌まわしい事であるためか、人から尋ねられてもこの話を語ってくれる事はあまりありません。

ですからこの話を聞いたことがある人の数は、そう多くはないのです。

解説:

恐ろしい怪談が存在するという話が、ある意味怪談として成立してしまっているという、面白い構造の伝説がこの牛の首です。

この話には実は元ネタがあります。小松左京の短編小説がその元ネタで、タイトルはズバリ「牛の首」。ネタバレになるので詳しくは述べませんが、この小説は「牛の首」というとても恐ろしいと噂の怪談にまつわるお話しです。

しかし、作中で「牛の首」の内容が語られることはありません(ある意味語られているともいえるのですが、これ以上言うとネタバレになりますので・・・)。

この小説に登場する怖い話の噂が、いつのまにか一人歩きして現実社会の噂に・・・都市伝説になっていく。話の構造だけでなく、その成立過程までもが極めてユニークな伝説です。

69: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 10:29
第六十九夜 首なしライダー

複雑なカーブが連続して存在する奥多摩湖畔の有料道路には、そのカーブの連続が生み出すスリルを求めて、多くの走り屋たちや暴走族が集まります。

ですが、彼らの出す騒音は、近隣の住民にとっては迷惑以外の何物でもありません。

ある週末のこと、腹に据えかねた近所の人が、道の両側にある木の間にピアノ線を張りライダーたちを転倒させようと、報復行為に出ました。

ところがその日の夜、最初にそこを通りかかったライダーは、ちょうど首あたりの位置にしかけられていたピアノ線によって、見事に首を切断されて死んでしまったのです。

住民達はお互いにかばいあったため捜査は難航し、結局犯人は捕まりませんでした。

それ以来、夜になるとこの事故の現場付近では、首のないライダーが走っているのが目撃されるようになったということです。

解説:

この話に似た事件は実際に起きたことがあります。深夜、東京の水元公園内を走りまわっていたライダーが横に張られたロープに接触し転倒、命を失ってしまったという事件がそれで、騒音に怒りを覚えた近所の住民による犯行でした。

また、深夜の峠に首なしライダーが出現して、走り屋たちのバイクを追い抜いていくといった怪談は、かなり昔から走り屋たちの間で語り継がれています。

どうやらこの話は、実際に起きた事件と、首なしライダーの古い伝説が融合したもののようです。

70: 名無しさん@お腹いっぱい。 2000/08/27(日) 11:04
第七十夜 歩行者専用標識の秘密

皆さんは歩行者専用の標識はご存知ですよね?

親子が手をつないでいる図案の、バックが黄地の標識です。あの標識は、実はあるカメラマンが取った写真をもとに描かれたものなのです。

ある日のこと、そのカメラマンは近所の公園で娘の手を引いて歩く、優しそうな父親に出会いました。その仲睦ましそうな様子が気に入った彼は、親子を写真に収めました。

写真を撮られたことに気づいた父親は、最初ギョッとしたように驚いていました。父親のあまりの驚きように戸惑った彼は、自然な表情を撮りたかったので無断で撮影してしまいました、申し訳ありませんと事情を話して謝り、写真が出来たらお送りしますよと父親に言いました。

すると父親はにこやかな表情に戻り、いえいえかまいませんよ、写真はわざわざ送っていただかなくても結構ですと答えると、娘の手を引いてその場を足早に立ち去っていきました。

その後、しばらくして政府が歩行者専用の標識を新しく作り直すことが決まり、その図案を広く一般にまで募集することになりました。

そのことを知った彼は、この時の公園の親子の写真を応募、それが見事に採用されて図案化し、今の歩行者専用の標識となったのです。

それから数ヶ月が経ちました。

そのカメラマンがテレビのニュース番組を何気なく見ていると、どこかで見たことのある男の顔が映し出されました。記憶の糸を手繰り寄せて思い出してみると・・・そう、それはあの時公園であった父親でした。

そのニュースは、幼女誘拐殺人犯が逮捕されたというニュース。次に映し出された犠牲者の写真は、あの時出会った女の子のものでした。

今度歩行者専用の標識を見る機会があれば、よく観察してみてください。手を引かれている女の子が、嫌がっているように見えるはず・・・。

解説:

あの標識は実際見方によっては親子連れというよりも、誘拐犯と抵抗する少女に見えてしまうことがあります。この話を聞いた後なら先入観によってでしょうが、聞いた事の無い人の中にも、そのような感想を抱く人がいるようです。