「おい! そこのジオンのランチ、何やってるんだ! 早く発進しろ! 爆沈するぞ!」 
「はぁ!? 何かが引っかかってて、離脱できない?」 

「ああ、こいつだ。このワイヤーがひっかかってたんだ。ちょっと待ってろよ…」 

「あん? 離脱しろだろ? バカヤロォ、ここまで来て見捨てて行けるか! ちっと黙ってろ、こいつはもともと作業ポッドなんだから…これくらい…… ジオン製のワイヤーは固いなぁ…」 

「焦らせるなよ…。 このっ、このっ…いいかげん切れねーか…! よっしゃ、切れた!」
 

「よし! いいか!? もうこの艦が爆沈するまで、時間がない! こいつのアームで 思いっきり押し出すから、あとで姿勢制御キチンとやれよ…っと!」 

「さてと…こっちも離脱しねーと、マジでやべ……! うわぁぁ!」 

「へへ、最後に…戦場で人助けをして…くたばるなんて、俺のガラじゃねーな……」 


終戦後、数年ぶりに回収されたボールのブラックボックス内の録音テープより…。

451: 通常の名無しさんの3倍 01/10/21 13:32
もしもし、母さん?僕だよ、マーク。

・・・え?いや、なんか母さんの声が聞きたくなっちゃってさ。 
今?作戦中だよ。隠れて通信してる。・・・大丈夫だって、ばれないよ。 

うん、それでね、もうじき僕も出撃するんだ。 
・・・だいじょぶだって!同じ小隊の人たち、凄いんだぜ!エース部隊なんだ! 
そう、だから安心してよ。母さんと姉さんだけ残していきやしないって。 

・・・・うん、勝てるよ。連邦なんか一ひねりさ!ドズル中将もそう仰ってるんだ。 
うん、それじゃね。姉さんにもよろしく言っといてよ。うん・・・。 

・・・・メリークリスマス。 

・・・・あれ?今何か光っ・・ザッ・・・! 

♯消失したソロモン第4宇宙港に辛うじて残っていた端末の通信記録より

459: 名無しさん達の午後 01/10/21 20:29
新兵A「だ、弾幕の中から・・・リックドムがこちらへ向かっています!」 
隊長(GM)「くっ・・・私が迎撃するっ、お前達は引けっ!」 
新兵A「し、しかし・・・」 
隊長「来たぞっ、お前達は-」 

新兵A「隊長・・・あのドム、何か変ですよ?」 
隊長「なんだ?両手に・・・ボール・・・か?」 

激しく発光を繰り返す戦場、支援のために後方にいた315小隊- 

そこへ1機のドムが向かってきたかと思うと、破損の激しいボールを投げ渡してきた。 

隊長「ウォンと・・・メイフィの・・・。おいっ、損傷が激しい、急いで母艦へ連れていってやれっ」 
新兵B「はいっ」 

隊長「ん・・・?ランダム無線か・・・」 
ドムパイロット「そいつら、死んでなきゃいいんだがね・・・」 

隊長「あんた、ドムのパイロットか? 何で-」 
ドムパイロット「俺達だって、死にたくはないさ。お前達もそうだろう。戦えなくなった奴に危害を加えようとは思わないさ。」 
隊長「あんた・・・」 

次の瞬間、エリス隊長の目に一閃の閃光が目に入り- 
ドォンッ!! 

ドムがビームライフルに撃ちぬかれ、瓦礫の屑へと姿を変えた。 
発煙の中から姿をあらわしたのは、ジオンの新型MS、ゲルググだった。 

ゲルググパイロット「ふん、急に戦場を離れたと思ったら・・・ 敵に情けか・・・役立たずが・・・」
エリス隊長「き・・・き・・・貴様ぁぁぁぁぁ!!!」 

激昂したエリスは、ビームサーベルを頭上に掲げ、ゲルググに向かっていった。 

*************** 

1時間後、315小隊は全滅したと伝えられた。



474: 通常の名無しさんの3倍 01/10/22 01:05
「あれ、准尉どうしたんですか、こんなとこで?」 

「ああ、キリー整備班か。君の職場なのにこんなとこはないんじゃない」 

「あ、いえ、パイロットのみなさんには、出撃前の時間が与えられているはずですが」 

「ああ、あたしには無いんだ、そういうの」 

「え?」 

「もともと孤児だし、育ったホームも今じゃ瓦礫の山。あたしは運良く軍にもぐりこめたけど、他のみんなはどうしてるやら・・・」 

「・・・も、申しわけありません」 

「あ、いいの、君が謝ることじゃないよ。こっちこそゴメンね、辛気臭い話聞かせちゃって」 

「いえ、・・・」 

「変だよね、身寄りの無いあたしは生き残ってるのに、帰る場所も待ってる人もいた人たちが死んでゆく。時々わからなくなるんだ、あたしはなんのためにこの球っころにのって戦ってるんだろって」 

「・・・」 

「はは、今更だよね、ゴメン、変な話・・・」 

「じ、准尉!」 

「はい?」 

「ぼ、僕のために生きて帰ってきてくれませんか!」 

「へ?」 

「・・・あ、い、いやその、あの、・・・」 

「・・・うん、いいよ」 

「え?」 

「君が整備してくれたこいつを、オシャカにするわけにはいかないもんね」 

「あ、いえ、その、そうではなく、つまり、じゅん・・・」 

「・・・・」 

「・・・・、准尉・・・」 

「ありがとう。帰ってくるよ、キミのところに」

504: 中隊長 01/10/22 22:50
「ご子息はX月○日某空域にて名誉の戦死を遂げられました。ご子息は優秀な部下であり、また良き戦友でした。ご子息を失った事は部隊にとって痛恨の極みであり~」 

宛名と日付だけ書き直した手紙を書くのはこれで何通目なんだろう?
3通はご子息をご息女に書き換えたっけな。 

「優秀な部下で良き戦友」

はっ!顔を覚える前にボール乗りは死んじまうんだぞ!! 
あぁ、こんな手紙を何通も書かされるなら点数稼いで参謀コースに進めばよかった。 

偉くりてぇなぁ、偉くなってボールなんて考えた奴を軍法会議にかけてやりてぇ。

512: 通常の名無しさんの3倍 01/10/22 23:42
名前: 
E-mail: 
内容: 
は、はははは。 
なんだよ、また生き残っちまったよ。 
俺もたいがい悪運強ぇよな。 
ははははは。 

おーい、他に誰か生きてるか? 

おい、他に誰かいねぇのかよ? 

おい、ってば。 

おい! 
なんだよ、俺だけなのかよ!? 
誰か返事しろよ! 
誰か!?誰か返事してくれよ!? 
スペイシー!カンサス!オージー! 
どうしたんだよ!? 
誰か返事しろよ!? 
イアン?!クラム?! 
誰か!誰か! 
誰でもいいから、返事してくれよ! 
誰か・・・。 

ちきしょう! 
こんなのねぇよ! 
こんなのってねぇだろ! 
ちきしょーっ!!

568: 通常の名無しさんの3倍 01/10/24 03:01
あ、俺・・・ 
明日、出撃するから。 
うん、それだけ。 
じゃ、切るから。 
何? 
うん・・・うん、分かってる。 
それじゃ。 
何だよ。 
・・・・・・・ 
俺だけそんなの出来るわけないだろ! 
あ、ごめん。 
・・・うん、分かってるよ。 
じゃ、後つかえてるから。 
あの・・・・・ 
おやすみ。

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581: 通常の名無しさんの3倍 01/10/24 12:51
ジリリリ… 

はい、もしもし? 
え?誰?…ジョン…? 
えーっと…どのジョンだったかしら?えーっと…あ、はいはい、赤毛の。思い出したわ。

どうしたの?急に電話かけて来たりして。え?出撃、はぁ、そうなの。 
軍隊入ってたのね、あんた。 

え?私が言った?軍隊入って少しは男らしくなれって?言ったかしらねぇ…。

なによ、そんなに怒らないでよ。ああ、言ったかもしれないわね。
え?そんな事私に言われても… 

今ちょっとたて込んでるんでまた後でかけ直してくれる? 

え?だから今…分かったわよ、泣かないでよ。まったく… 

で?…あ、そう…ふーん…へー… 
………え?ああ、聞いてる聞いてる。それで? 

うんうん…ふーん…ちょっ、やめてよ今電話して…
え?んーん、なんでも無い。こっちのこと。 
え?一人よ。猫がちょっとじゃれ付いてきただけ。

うん、それで? 
へぇ、そうなの…うんうん。ふーん… 

はいはい、うん、分かったわ。頑張ってね。はい、じゃあね。 

ガチャン 

え?昔の知り合い。2~3回会っただけだと思うけど。顔も思い出せないわ。 
なんか運命の女神だそうよ。私。 

そんなことどうでもいいからほら、続き…。 

ん…あ…

585: 580@長文スマソ 01/10/24 15:47
戦争が終わって、1年が過ぎた。 

アタシはあの日から……お兄ちゃんが死んだと聞いたあの日から、こうして毎日集団墓地へ来ている。 
お兄ちゃんが埋まっていない、空の墓地へ。 

戦争が終わったとき、救難廷に回収されたお兄ちゃんのボールには誰も乗っていなかったそうだ。

もともと孤児だったお兄ちゃんに対する連邦の扱いは冷たく、死亡を知らせる通知と、眠る者のない墓が用意されただけだ。 唯一の救いは、墓地が孤児院から近かったことだ。

おかげでアタシは、こうして毎日墓前に捧げる花を替えに来ることができる。 
店で買ったわけではない、孤児院の花壇に咲く小さな花ではあるが。 

「でも、お兄ちゃんはきっと喜んでくれるよね?」 

今日も花を捧げながら、アタシは独りぐちる 

お兄ちゃんが死んだと聞かされても、アタシは泣かなかった。 

孤児院で最年長だったお兄ちゃんは、どんなに辛いことがあっても決して人前で涙を見せなかった。 
だから、最年長の……お兄ちゃんが死んでしまって最年長になったアタシは、泣かないと決めた。 
泣き虫のアタシをいつも慰めてくれたお兄ちゃんは、もういないのだから。

「……あれ?」 

目の前の風景が霞む。
周りに誰もいないせいだろうか、もう泣くまいと決めていたのに、知らぬ間に涙腺が緩んでいたようだ。泣き虫なのは、どうやら直らないらしい。 

こんなときお兄ちゃんがいれば、アタシがこっそり泣いていてもきっとすぐに気付いてそばに来てくれるのに……そんなことを考えていたら、余計に悲しくなってきてしまった。 

「いけない、お兄ちゃんに怒られちゃうね」 

アタシは無理に笑顔をつくると、自然と下を向いていた顔を上げる。 

――そこに、人影があった。 

ばつが悪そうな顔をしたその人を見ても、アタシは驚かなかった。

だって、この人はアタシが泣いているときに……今みたいに泣いているときに、必ずそばにいてくれたから。 

今にも駆け寄って抱きしめたい衝動を抑え、アタシはゆっくりとその人の前に立つ。 

1年前の願いを叶えるために。 

「お帰りなさい、ウォルフ!」

593: やっぱ短いのは難しいよね 01/10/24 19:38
あ、こら、ちゃんと映りなさいよ。 
まったく、気象衛星から放送衛星まで何でも見境無く墜とすから...あ、映った映った。

「...と...の間に、...協定が...けつ...れまし...ザザッ」 

あー、もうちょっと頑張んなさい、このボロテレビ。 

「...り返します。ジオン公国と地球連邦の間に終戦協定が締結さ.」 

ほんとだ...ほんとだったんだ。戦争が...終わったのね。

...って、あら?あ、はいはいちょっと待って、泣かないで、今ミルクあげるわ。 
おー、よしよし、良い子ねー。もうすぐよぉ、もうすぐアナタのパパ、帰ってくるからね 

初対面、楽しみにしててねー、アナタのパパ、すっごくカッコ良いんだから... 
ん?あれ?電話鳴ってる?あー、はいはい... 

Hello、Yes...あ、あなたなの?ううん、今ニュース観てたとこ。 
うん、戦争、終わったのね。怪我、怪我は無い?...そ、そう、良かった。

...うん...うん...そ、そんな訳ないじゃない。な、泣いてなんか... 
こんな嬉しいのに、泣いてなんか...いないんだから...グスッ... 

う、うん、待ってる。

だから早く帰って来てね...2人で...待ってるから...

560: FAVORITE 01/10/24 00:12
もしもし、エレン?あたし。フィアナよ。 
メリークリスマス。一番忙しい時にゴメンね。 

…そ、出撃。うん。…大丈夫よ!3階の窓から落ちても平気だったあたしの頑丈さ、忘れたの?

…うん。もうすぐ終わりそう。
そしたらお土産、いっぱい買って帰るからね。それと、あのオンボロ礼拝堂の改修費も! 

…ん、もう。またその話しぃ?エレンがいつも言ってたんでしょ? 
「私たちは家族だよ。みんなで一つの家族なんだよ」って。 

だったらぁ!あたしが可愛い弟や妹たちのパン代くらい稼ぐの当たり前じゃない。 

…わかってる。絶対無理はしない。あたしがエレンの言い付けきかなかったのは、後にも先にもあの一度だけだよ。 

…うん。…うん。エレンのお祈り、あたしも当てにしてる。 
なんたって本職だからね(笑) 

…じゃ、つかえてるからそろそろ切るね。 

うん、みんなにもよろしく。じゃ行って来ます!

624: FAVORITE 01/10/25 14:56
  みんなへ 

あたしは今、困った状態にあります。迷子になって、 
動けなくなって、もうすぐ息が出来なくなりそうです。 
最後まで絶対諦めないけど、もしものために手紙を書きます。 

エレン、言い付け破ったの2度目になるかもかも。ごめんなさい。 
いつもあたしたちのお母さんでいてくれてありがとう。 

マグダレナ、あなたの気持ちわかるけど、いつまでもみんなを 
困らせないで。みんながあなたを好きだって事、忘れないで。 

モニカ、可愛いおませさん。あなただけの王子様が現れる事、 
あたしも願ってるよ。 

ミカエル、あたしみたいなガサツな女がいるんだし、あなたみたいに 
繊細な男がいてもいいと思う。あなたの弾く『ホームスイートホーム』 
大好きだよ。 

アナスタシア、がんばりやさんではたらきもの。いつも目立たない所で 
みんなのために一生懸命だったこと、ちゃんと知ってたよ。 

ベトロネラ、今更『おしとやかに』なんて言わないけど、腕力は 
最後の手段にとっておきなさい。でもいざというときの先制攻撃、 
ためらわないでね。(笑) 

マルティヌス、小さな元気者さん。エレンをあまり驚かさないで。 
あなたがあの『3階の窓』の第二の犠牲者にならないか、あたしも心配よ。 

最高の家族に恵まれて、私は幸せでした。ありがとう。みんなに 
もう一度会うため、あたしも最後の最後まで頑張ってみますね。では。 

             
   愛するみんなへ。キスと共に。 
       フィアナ

627: 通常の名無しさんの3倍 01/10/25 21:07
…ツゥルルルー、ツゥルルルー、カシャッ 
あ、もしもし、うん、そう、オレ。 

うん、今日は話があってさ。 

えっとさ、うんとな。 
オレ達もう・・・、終わりに、しよう。 

理由?うん・・・。 
・・・。好きな人ができた。そう、軍の人。

・・・。ゴメン。 

・・・・・・。 
・・・・・・。 

オ、オレみたいなさ、ロクデナシ忘れてさ、 
もっとイイオトコ見つけな。 
そのほうが君も幸せになれる・・・・・・。 

短かったけど、君と出会えてよかったよ。 
ありがとう。 

・・・・。 

オレは君を幸せにできないから・・・。 

サヨナラ・・・・・・。 

…ガチャンッ。ツーツーツー 

(バカだなオレって・・・。最後まで強がりばかり)

632: 愛と青春の玉乗り 01/10/26 00:51
おーし、新入りども、全員揃ったか。

・・・ったく、どいつもこいつも棺桶に片足突っ込んだような面しやぁがって。 
返事を返す余裕も無いですか?ボクちゃんちにたくありまちぇんか? 

なんだ、悔しいか。ちっとは見込みもあるのかねぇ。 

一体何を吹き込まれて来たか知らねぇがよぉ、お前らちょっと勘違いしてる。 

結論から言うとだ。ボールはな、優秀な兵器だ。 

今からちよっとばかりオツムの弱い、坊ちゃん嬢ちゃん達にも分かるように、試験配備からボールを転がしてるこの俺が、懇切丁寧にお話してやる。有難く思えよ。 

ここに見ろ、我らがアイドルボールちゃんと、女装大好きオカマのザク君がいます。 
良く出来てるだろう、俺が作ったんだ。ほれ、よっく見ろ。見たか、見たな? 

よし、お前。
そう、そこのひょろメガネ。ボールちゃんと比べてこのザク君。どこが違う。 

「あ、はい・・・大きくて、強そうであります。人型で格好いいし、あいたっ!」 

誰がお前の感想を聞いたよ、余計な事まで言ってんじゃねぇ。 
まぁ、いい。割といい所を突いたな。 

そう、お前ら被弾面積って知ってるよな? 
・・・しらねぇのかよ。呆れたねぇ、この二十日大根どもが・・・ 

要するにだ、でっかいよりもちっちゃい方が弾があたらねぇっつー道理だ。 
どっちがいいか、説明するまでもねぇよな? 

そしてこの理想的かつ合理的なボディーライン。 
必要最小限にして十分な武装。惚れ惚れするねぇ。

いいか、ボールはな、生産工程の少なさおいて圧倒的にザクより優れている。

構造が簡単って事は、短時間に大量に生産出来、かつ扱い易いって事だ。 
当然稼働率は連邦、ジオンのどのMSに比べても断突に高い。 

戦争ってのはな、必要なとき、必要な場所に、必要なだけの戦力を揃えた方が勝つ。 
どれだけこのボールが連邦の勝利に貢献してるか。
分かるよなぁ。 

被害が多いってのは運用方法を勘違いしている奴が多いってだけだ。 
なんでもかんでもボールのせいにしてる奴にとっては、確かに棺桶だな。 

文句のある奴は前に出ろ。ないな、よし。 

ボール乗りであることに誇りを持てない奴は俺に言え。 
永遠に登乗割から外してやる。

633: 愛と青春の玉乗り 01/10/26 00:54
次、実践編だ。 

おい、隣のソバカス。
おや、いっちょまえにお怒りで? 
いいから答えろ。俺たちが颯爽と戦場を進んでいると、敵のMS部隊と遭遇しました。

さて、どうする? 

「はい、ボールは支援型MAですので、直接戦闘はGM隊に任せて、距離を置いての砲戦に持ち込みます」 

ほほう。 
じゃあ、GM隊を抜いて、敵が距離を詰めてきたらどうする。 

「え、後退しつつ、距離を維持します・・・」 

教本通りでなんの捻りもねぇ答えだな。学級委員でもやってろよ。 
後退して、どこまで下がる。ルナツーにでも逃げ帰るか、ああ? 

お前は今日ここに居たことで寿命が延びた。
今夜から毎晩寝る前に俺の健康を祈れ。 

いいか、ジオンの連中はな、お前さんなんかより戦術ってのを何十倍もご存知だ。 
遭遇した場合、砲戦なんざまずやらせちゃ貰えない。ほぼ確実に乱戦に持ち込まれる。 

そうなったらだ、まず第一に何を見る。 
いい。答えるな。

味方だ。

敵じゃない。

編隊寮機の位置をまず確認しろ。 

敵は局所的に数の優位を生もうと、必ず複数で単機のカモを狙う。 
どうしてそうするか。考えるまでもねぇ。奴らは俺たちの数を一番恐れてるって事だ。 

真っ先に落とされたくないんだったら、雑魚は雑魚なりに身を寄せ合えってこった。 
味方を見捨てることは自分の命をも捨てるって事を絶対に忘れるなよ。 

お前らは実に幸運だ。 

なんせ質、量、ともに圧倒的。無敵の連邦軍パイロットなんだからな。 
この有利を利用しない手はない。 
常に数で圧倒しろ。 

はぐれちまったらどこの隊でもいい。とにかく味方の中に潜り込め。 
そして、ジオン野郎が泣きいれるまでとことん叩きのめせ。 
そうすりゃ絶対負けねぇ。 

だがな、覚えとけ。 
どんな勝ち戦でも、深追いするような奴は俺が後ろから撃つ。 
俺が下がれと言ったら、たとえションベンの途中でも後退しろ。 

よーし、笑えるようになりゃ上等だ。 
明日は初陣だが、何も考えるな。とっとと寝ちまえ。 

眠れねぇ奴はまた来い。
秘蔵のブランデーを分けてやる。 

それとお前、俺の健康祈るの忘れるなよ。 
解散!


645: 通常の名無しさんの3倍 01/10/26 19:40
さだまさしと堀内孝雄(遥かな轍と愛しき日々)リピートで聴きながらこのスレを読む。 

頬を流れた涙がしょっぱい。