シンガーソングライターの森田童子さんが4月24日に亡くなっていたことが分かった。65歳だった。

高校教師の主題歌「僕たちの失敗」など、若さゆえの苦悩、やりきれない虚しさ、甘くも青い切なさが滲み出た歌詞を、語り掛けるような儚い声で歌い上げる名曲の数々を…。

「僕たちの失敗」
夕日が当たる物が少ない4畳半の畳の部屋で、何もかもを失って絶望し、窓の外を見ながら聴きたい。

「たとえばぼくが死んだら」
入院中の古い病院の個室の病室のベッドで、窓の外に見える大きな木の葉っぱが全部落ちたら最後だと思いながら春を迎え、木に新芽を見つけた時に聴きたい。
 

「さよなら ぼくの ともだち」
大学入学してすぐ仲良くなった体の大きな男友達、優しい彼に惹かれ始めこの先もっと仲良くなるんだろうなと思っていた矢先、実は彼が学生運動過激派のリーダーだったと知った時に聴きたい。


「 男のくせに泣いてくれた」
上記の彼がいなくなって1年近く、突然彼がアパートにやって来た時に聴きたい。


「ふるえているネ」
1年近く経ってからお互い好きだってわかって、初めて結ばれる時に聴きたい。


「雨のクロール」
いろいろあって1年近く振りに好きな人のアパートに会いに行ったら、今までの淋しさをぶつけられて一緒に泣いて、初めて結ばれた次の日に聴きたい。


「君は変わっちゃったネ 」
大学を辞めて7年たった冬、街で好きだった人とばったりと会い、結婚したと聞かされた時に聴きたい。

ぼくたちの失敗 森田童子ベストコレクション
森田童子
ユニバーサル ミュージック
2016-07-20