まあ、でも無断欠勤は初めてでしたし、若いんだし「すこし注意してカンベンしてあげよう」なんて思っていました。

歳も自分の息子と同じくらいでしたしね。部署は違っていましたが、なんとなくかわいがってきたんです。上司に頼んで自分がフォローをしようと自宅に電話してみました。 

ところが誰も出ないし、寝坊したわけでもなさそうで、昼休みちょっとアパートへ行ってきました。 

そしたらアパートの前に、いつも彼が乗っているバイクがあったんで「やれやれ。やっぱ寝坊か…」なんて思いながら、部屋のチャイムを押したんです。でも何度押しても出てこないんですよ。

留守か居留守かわからなかったんですが、あまり刺激してもしょうがないんから引き上げようとしたところ、部屋のカーテンから彼が覗いてるんです。「なんだ居留守しやがって」と思い再び玄関へ行くと、彼がすごい怯えた顔で突っ立てるんですよ。

苦笑いしながら「おい、休むなら電話くらいしろよ」とかなんとか言った記憶があります。

でも何を言っても彼はうわの空で、返事も「はい…　はい…」とまるで聞いてませんでした。 

さすがに、「なんかヤバイぞ」と思い、まずは落ち着かせようと近所のファミレスまで連れ出しました。普段は人の倍も食べるくせに、その日は全然食べようともしないんです。決して怒らず、真相を聞こうとくだらない雑談まじりにしゃべっていました。 

でも結局何もわからず、今日は無理に出社させず「今日は休みなさいよ」と言ったら、いきなり「うわーーー！」って泣き出しちゃったんですよ。他のお客さんもいるし困ってしまって、また彼のアパートに戻りました。

彼の部屋に戻り、私が帰ろうとしたんですが、彼は必死に「行かないでくれ」と何度も懇願します。

しかし私も仕事がありますのでなんとか部屋を出ようとした時でした。 そうしたら、彼の口から信じられない言葉が出てきたんです。 

「俺…　殺しちゃった…」と。 

私は彼が何を言っているのかさっぱりわかりませんでした。まさか私の人生の中で、目の前に「殺人犯人」なんているわけがないと。ぜんぜん違う世界の話だと思っていましたから…。

「信じられないよ」と連発する私に、彼は無言でそっと指を指しました。

そこはシャワールームのようで、くもりガラスの戸でした。私は心臓がドキドキしながら、その明かりの消えた戸の中を覗きました（もうこの時点で頭の中はパニック状態で、上手く表現できません）。

その戸をゆっくり開けました。 

も、もうダメです！！そこは脱衣所で洗濯機が置いてあるだけですが、もう一つくもりガラスのアコーディオン扉があったんですが、そこに赤く血がベットリと塗りたくられていました！！ たぶん人でしょう。下のほうに人間が動かずに影だけが見えます！！ 

私は恥ずかしながら、しりもちをついて「うひゃぁ～～～！！」とか、ワケのわからない悲鳴を上げていました（半ベソ状態で）。 

このあと>>623に信じられない展開が！！

その後何時間くらいたったでしょうか…？ 2人で呆然と時間を過ごしていました。 

いくらか私は落ち着きを取り戻し、会社や家（なんでだろう？）や彼の実家。そしてたまたま私の知り合いの弁護士の先生など、方々に連絡をして、最後に警察へ電話いたしました。

「もう自殺する」と言う彼を必死になだめながら。 

警察のかたの対応はとても丁寧でしたね。驚きました。よくドラマでは殺人犯人にはすごい乱暴な対応をするかと思っていたんですが、冷静に事情を聞き出し、手際よく検証していました。 

私はなぜか「立会い者」という立場にされて、事情を聞かれました。そこでお巡りさんが大変な事を言い出したのです。なんと私に「死体の身元確認してくれ」と…。 

話によると、殺された人は女性で彼の彼女だ、と言うのです。でも私は彼の彼女なんか見たこともないし、会ったこともありません。「私は知らないから見てもしょうがない」と強行に拒否したのですが、さすがに国家権力にはかないません。だまって従うことにしました。 

「旦那さん、人の死体見るの初めて？」と、警察官は明るく聞いてきました。「ちょっとショッキングかもしれないけどさ、死んだホトケさん成仏させるつもりで確認してあげてよ」と、うなだれる私に半分脅しまがいに言ってきたんです。 

「まだ新しいしさ、匂いはまだないから」と。 

この時ほど笑顔が怖いと思ったことはありませんでした。

どうして殺しちゃったのかなぁ…会社の人はびっくりしただろうね。

どんな殺され方したのか…ドキドキ。

「じゃあ、ちょっと吐くといやだから、バケツ用意してください」と、私はかすれた声で言うのがやっとでした。 

「ああ、そうか。お～い。バケツか洗面（器）持ってきて」と仲間の人に言うと「ないからこの袋（コンビニの）使って」と、その辺に落ちていた袋を差し出してきました。 （おいおい、いいのかそんなことして…）とかなんとか言いながら、「身元確認」とやらに連れて行かされました… 

その頃にはもう部屋にはビニールシートなどが敷かれていて、土足で入室もOKでした。（これは意外でしたね）。近所のヤジウマが大挙して集まっていて、「立ち入り禁止」のロープを堂々とくぐって入っていけたのには、ちょっと「優越感」みたいのは正直ありました。 

玄関を入るとすぐ右手がシャワールームでした。その警察の方が、ほかの警察の仲間に「おい。どいてや」と私をナイスなエスコートで道が開けていったのです。 

そこには私が長年生きていて、最大のショッキングな光景が待ち受けていたのです。

確かに予想はしていましたが、これほどのものとは… いかにドラマが「作り物」かということが、よくわかりました。まさに「これが本物だ！」と言わんばかりに人間のカタチをした「物体」が置かれていたのです…全裸の女性でした。 

顔に長い髪が巻きつき、その表情はわかりません。オレンジ色の明かりでしたので、その身体も明るくオレンジ色に染まっていました。血まみれの死体を予想しておりましたが、そんな毒々しいほどの血は付いていません。 

女性は「く」の字のように曲がっていて、お尻がこちらのほうに向いていた感じです。普通にパジャマを着ていれば、寝ている態勢でしょう。脚にこびりついた血が乾いていたのを覚えています。 

ドキドキ…。

長く書きましたが、ここまではほんの一瞬目に入った感想です。ほんの1～2秒ってとこでしょうか。遠く眺めて、おもわず目をそらしました。 

「もう、いいです…」 

私がそう言ったのを聞こえたのか聞こえなかったのか、または聞いていないフリをしていたんでしょうか。次の瞬間、先に奥に入ったさっきの警察の方が、またも信じられないことを…。 

「あー、もっと近くに来てよ。よく見えないっしょ」 

なんとも軽く言ってのけたのです。その声と同時かどうかもうわかりませんが、後にいた別の警察の方が優しく、それでいて力強く私の肩を抱いて、一緒に促されるようにシャワールームに押し込められました。

ドキドキ…。

「い、いやあ、もういいです！カンベンしてください」と涙声の私に「うん、わかるんだけどさ。ホトケさんもかわいそうでしょ。成仏させてあげなきゃ」と、全く理屈にならない理屈で私を強引に彼女の元へ導いてくださったのです。 

お腹から伸びていたのは血ではありませんでした。ドス黒く変色した腸だったんでしょうね。ものすごく立体的で、図鑑などの絵がまったくのデタラメだというのがよくわかりました。 

そのお巡りさん、ゆっくり彼女の髪をかき分けて顔を見せてくれました。口は半開き、目は片目だけ開いていたんです。もし生きていたら、絶対に出来ない表情です……。 

「かわいそうになあ…まだ若いのに…」 

かすれた声でそのお巡りさんがつぶやきました。

「この娘、見たことあるかい？」 
「いえ、ないです…」 
「そうか。ご苦労さん。じゃあ、手をあわせてやってくれんか？」 
「はい…（合掌） 」

「最初っから知らないって言ってるだろー！！」と心の中で叫びましたが、その場で声に出すのは無理です。 

ただそれだけです。時間にすれば1～2分ってとこでしょうね。

心配したゲロは吐きませんでした。みなさんの期待していた「オチ」はありません。ただ、暑い季節ではなかったのに全身から汗が噴き出したことが、不思議といえば 不思議です。

僕の期待してるオチは、その同僚が何でそんなことをしたのかってことなんですけど…。 

あまり細かいことを言うわけにはいきませんので、差し支えない程度に。 

実際は「彼女」ということではなかったみたいですね。友達の友達っていうことでしょうか。たまたま友達と飲んでいて、途中から一緒になったようです。 

その後何度か警察に呼ばれて事情聴取ですか、やりました。会社でも大騒ぎになってしまい、いま思い出してもあの騒ぎは思い出したくありません。 

初めて裁判でも「証言台」とやらに立たされて、あの気分ももう味わいたくありませんね。あの被害者家族の冷たい視線は、当事者でなければ絶対わからないでしょう… （私は無関係なのに、まるで共犯者のような気分でした）。 

こんな長い文にお付き合いくださり、ありがとうございました。 

若いかたもいらっしゃるでしょうが、くれぐれも短気おこさないでくださいね。短気は一瞬でも、その後の人生はまだまだ長いんですから…。 

>>623さん、動機を教えてください。

動機とかですね、そういう事件が特定できてしまうことはここでは遠慮させてもらいます。ただ、みなさんの身近にでもよくある出来事ですよ。 

「感情のもつれ」とだけ言っておきますが。

俺が思うに…あくまで予想だが、惚れてしまったんだなきっと。 

告白。当然玉砕。そして逆上。ブスリ。こんなとこかな。

小さい頃ひいばあちゃんのお通夜で呼ばれて、何も知らない俺はお父さんに「ひいばあちゃんに挨拶しておいで…」って言われたの。無邪気な俺は「はーい」ってひいばあちゃんのとこ行ったの。

そしたらひいばあちゃん普通に寝てる顔なの。だから俺は「ほんとに死んでるの～？はじめて死体見た！」とか不謹慎極まりない暴言を吐いていました。 

そのあとも兄弟とはしゃぎあっていました。ごめんね。ひいばあちゃん。

俺の親父の奥さん（3人目）が、従業員寮に朝来ない従業員を呼びに行って（起こしに？）、首吊り見ちゃった事があったよ。
まあ、今の奥さん金目当てだからざまあみろだけどね。
 
ちなみにオレは1人目の子供です（戸籍上長男）。

電車が急に徐行しだしたので「なんがー？」って思ったら、なんか向かいの線路の電車が踏み切りの所で止まってて、車掌やらがなんかバケツ持って拾い集めてた。 

「なにしとっとやー？」って眺めてると、そのうち踏み切りの線路の隙間から赤いブロック状のモノをかき集め出した。「あー、しまったー」と思いながら電車がゆっくりとすれ違うまでなんか凝視してしまったが、30秒後ぐらいには普通の踏み切りに戻った。
 
手際がいい。

ミートソーススパ食いながらこのスレ読んでたけど、こみ上げてきたよ…。