【その4】
山

232: 名無しさん 03/02/10 11:42
先月のことです。Aと俺は山へ測量に入りました。 

山の測量に行く時は、最低3人で行くようにしていたんですけど、行くはずだった奴がインフルエンザで倒れて他に手の空いてる人も居なかったんで、しょうがなく2人で行くことになったわけです。

でもやっぱり不安だったんで、境界を案内してくれる地元のおっさんについでに測量も手伝ってくれるように頼みました。おっさんは賃金くれればOKという事で、俺たちは3人で山に入りました。 

前日からの雪で山は真っ白でした。でも、ポールがよく見えるので測量は意外にサクサク進みました。 

午前中一杯かかって尾根の所まで測ったところで、おっさんの携帯が鳴りました。おっさんはしばらく話をしていましたが、通話を終えると、急に用事ができたので下りると言い出したのです。 

おいおいって思ったんですけど、あとは小径に沿って土地の境界やから、そこを測っていけばいいからって言われて、小径沿いだったら大丈夫かもな、まぁしゃーないか、みたいなムードで、結局Aと俺の二人で続きをやることになりました。 

ところが、おっさんと別れてすぐに急に空が曇ってきて、天候が怪しくなってきました。このまま雪になるとヤバイよな、なんて言いながら、Aと俺は早く済まそうと思ってペースを上げました。 

233: 232 03/02/10 11:43
ところで、俺らの会社では山の測量するのにポケットコンパスって呼ばれている器具を使っています。方位磁石の上に小さな望遠鏡が付いていて、それを向けた方向の方位や高低角が判るようになっています。軽くて丈夫で扱いが簡単なので、山の測量にはもってこいなんです。 

俺はコンパスを水平に据え、ポールを持って立っているAの方に望遠鏡を向けて覗きました。雪に覆われた地面と枝葉に雪をかかえた木立が見えますが、ポールもAの姿も見えません。少し望遠鏡を動かすとロン毛の頭が見えたので、次にポールを探して目盛りを読むためにピントを合わせました。 

あれ?
 
ピントが合うと、俺はおかしなことに気付きました。俺たちはヘルメットを被って測量をしていたのですが、Aはなぜかメットを脱いでいて、後ろを向いています。それにAの髪の毛は茶髪だったはずなのに、今見えているのは真っ黒な髪です。 

おかしいな…。

望遠鏡から目を上げると、Aがメットを被り、こっちを向いて立っているのが見えました。が、そのすぐ後ろの木立の隙間に人の姿が見えます。もう一度望遠鏡を覗いて少し動かしてみました。 

女がいました。 

234: 232 03/02/10 11:44
立木に寄りかかるように、後ろ向きで立っています。白っぽい服を着ていて、黒い髪が肩を覆っていました。 

こんな雪山に…なんで女?俺はゾッとして望遠鏡から目を離しました。 

「おーい!」 

Aが俺の方に声を掛けてきました。すると、それが合図だったかのように、女は斜面を下って木立の中に消えてしまいました。 

「なにやってんスかー。はよして下さいよー」 

Aのその声で、俺は我に返りました。 

コンパスを読んで野帳に記入した後、俺は小走りでAのそばに行って尋ねました。 

「今、お前の後ろに女立っとったぞ、気ぃついてたか?」 
「またそんなこと言うて、止めてくださいよー」

笑いながら、そんなことを言っていたAも、俺が真剣だとわかると「…マジっすか?イヤ、全然わかりませんでしたわ」と、表情が強ばりました。 

235: 232 03/02/10 11:44
Aと俺は、あらためて木立の方を探りましたが、木と雪が見えるばかりで女の姿はありません。

「登山してるヤツとちゃうんですか?」 
「いや、そんな風には見えんかった…」 

そこで俺は気付きました。あの女は、この雪山で一人で荷物も持たず、おまけに半袖の服を着ていたんです。 

「それ、ほんまにヤバイじゃないっスか。気狂い女とか…」 

Aはかなり怯えてました。俺もビビってしまい、居ても立ってもいられない心持ちでした。そんなことをしているうちに、周囲はだんだん暗くなって、とうとう雪が降ってきました。

「はよ終わらして山下ろ。こらヤバイわ」 

俺たちは慌てて測量作業を再開しました。 

天候はどんどん悪化して、吹雪のようになってきました。ポールを持って立っているAの姿も見にくいし、あっという間に降り積もる雪で小径も分かりづらくなってきました。携帯も圏外になっていました。 

俺は焦ってきて、一刻も早く山を下りたい一心でコンパスを据え付けました。レベルもろくに取らずに、Aの方に望遠鏡を向けようとしてそっちを見ました。 

すると、さっきの女がAのすぐ後ろに立っていました。 

236: 232 03/02/10 11:45
今度は前を向いているようですが、吹雪のせいで良く見えません。Aは気付いていないのかじっと立っていました。 

「おーい!」 

俺が声をかけてもAは動こうとしません。 すると、女のほうが動くのが見えました。 

慌てて望遠鏡をそっちに向けてビビリながら覗くと、女は目を閉じてAの後ろ髪を掴み、後ろから耳元に口を寄せていました。何事か囁いているような感じです。Aは逃げようともしないで、じっと俯いていました。女は、そんなAに囁き続けています。

俺は恐ろしくなって、ガクガク震えながらその場に立ち尽くしていました。

やがて女はAの側を離れ、雪の斜面を下り始めました。

すると、Aもその後を追うように立木の中へ入って行きます。 

「おーい!A!何してるんや!戻れー!はよ戻ってこい!」

しかし、Aはそんな俺の声を無視して吹雪の中、女の後を追いかけて行きました。俺は、測量の道具を放り出して後を追いました。Aはヨロヨロと木立の中を進んでいます。 

「ヤバイって!マジで遭難するぞ!」 

このままでは、自分もヤバイ。本気でそう思いました。逃げ出したいっていう気持ちが爆発しそうでした。周囲は吹雪で真っ白です。 

それでも、何とかAに近づきました。

237: 232 03/02/10 11:45
「A!A!しっかりせえ!死んでまうぞ!」 

すると、Aがこっちを振り向きました。Aは虚ろな目で、あらぬ方向を見ていました。そして、全く意味のわからない言葉で叫びました。 

「*******!***!」 

口が見たこともないくらい思いっきり開いていました。本気で下あごが胸に付くくらい。舌が垂れ下がり、口の端が裂けて血が出ていました。あれは、完全にアゴが外れていたと思います。 

そんな格好で、今度は俺の方に向かってきました。 

「…****!***!」 

それが限界でした。俺はAも測量の道具も何もかも放り出して、無我夢中で山を下りました。車の所まで戻ると、携帯の電波が届く所まで走って、会社と警察に電話しました。 

238: 232 03/02/10 11:46
やがて捜索隊が山に入り、俺は事情聴取されました。

最初はあの女のことをどう説明したらよいのか悩みましたが、結局見たままのことを話しました。警察は淡々と調書を取っていました。ただ、Aに女が何かを囁いていた、というところは繰り返し質問されました。 

翌々日、遺体が一つ見つかりました。白い夏服に黒髪。俺が見た、あの女の特徴に一致していました。 

俺は警察に呼ばれて、あの時の状況についてまた説明させられました。その時に警察の人から、その遺体についていろいろと聞かされました。 

女の身元はすぐにわかったそうです。去年の夏に、何十キロも離れた町で行方不明になっていた女の人でした。ただ、なぜあんな山の中に居たのかはわからない、と言うことでした。

俺はあの時のことはもう忘れたいと思っていたので、そんなことはどうでもいいと思って聞いていました。 

けれど、一つ気になることがありました。女の遺体を調べたところ、両眼に酷い損傷があったそうです。 俺は、Aのヤツそんなことをしたのかと思いましたがどうも違ったみたいで、その傷は随分古いものだったようです。 

「目はぜんぜん見えんかったはずや」 

警察の人はそう言いました。 

結局、Aの行方は今でもわかっていません。残された家族のことを考えると、Aには生きていて欲しいとは思いますが、あの時のことを思い出すと、正直なところもう俺はAに会いたくありません。 

ただ、何となく嫌な予感がするので、先週、髪を切って坊主にしました。 

241: 名無しさん 03/02/10 11:57
面白かたッス。乙。

247: 名無しさん 03/02/10 22:16
まあ、山は怖いってことで…。 

事故で死んだ後輩の追悼山行で、仲間と合流するために 慣れ親しんだ山道を深夜一人で歩いた事があるが、夜の山道は人の想像力を必要以上にかきたてる。 

248: 名無しさん 03/02/11 15:17
追悼山行… 登山家なら一度はやったことがあるものなのか?
 
その途中で霊現象とか起きても怖いとかじゃなくて、「ああ、奴か。元気だったか」という感じだよなぁ。

256: 名無しさん 03/02/14 12:25
山男の体験談はやっぱりおもろいな。

ところで、女が山で放尿してたらヘビがマ○コに入ってそのまま死んでしまったという話があるが、あれは都市伝説か? マムシとマ○コと響きが似ているのが気になるのだが…。

257: 名無しさん 03/02/14 13:07
>>256 
小便を逆流して尿道に特攻する魚なんかは実際にいるからなぁ。 

事実その通りかどうかは知らないけど、それなりに事実に基づいてるんでは?

259: 名無しさん 03/02/15 07:42
>>256 
その話の元ネタは、山で小便をしていたバスガイドが股間をマムシに噛まれて死亡…という話だと思う。 この元ネタでさえ実話なのか都市伝説なのか不明だが、いかにも起こりそうな話ではある。 

258: 名無しさん 03/02/14 18:26
山でオ○ニーしてて、チ○ポをヒルに噛まれて死にそうになったことはある。

259: 名無しさん 03/02/15 07:42
>>258 
山で糞をしようと勢い込んでしゃがんだら、俺が踏み折った笹の茎が肛門を直撃しそうになったことはある。 

262: 名無しさん 03/02/15 17:15
>>259 
ヘタしたらそっちのほうが怖いかも。

260: 名無しさん 03/02/15 10:06
>>259 
あ、それ俺もある! 

笹って怖いんだよね。鉈とかで刈ると、ブービートラップみたくなる。 

261: 名無しさん 03/02/15 10:14
俺の聞いた話を。 

知り合いの森林組合のおっさんが、茶色のジャンバー着て山へ入った。で、メシ喰おうと思って河原へ出たところを、後ろから銃で撃たれた。イノシシと間違われたらしい。おっさんは一旦起きあがって「コラー何するんじゃー!」って叫んでから、バタンと倒れて死んだらしい。

それ以来、仕事で山入る時も、派手な服を着るようにしてる。 

262: 名無しさん 03/02/15 17:15
>>261 
ジーパン刑事みたいw、でも怖い。

ボートで釣りしてる人なんかも、猟銃の弾がかすめたとか、マジ怖い体験してる人多いみたいっすね。

265: 名無しさん 03/02/15 19:20
「なんじゃこりゃあ~」w 

264: 名無しさん 03/02/15 19:03
>>261 
町中で見ればそれなりに派手に見える迷彩色も避けなきゃだめってことだねw

265: 261 03/02/15 19:20
>>264 
うん、そうそう。あれ(迷彩)、山だとホントに見にくいもんね。良く出来てる。俺らレンジャーじゃねーんだから、隠れる必要ねえじゃん。

あと、サバイバルゲームやってる人は怖い経験してないのかな? 

299: 名無しさん 03/02/23 06:48
サバゲやっていますが、不思議な体験をしたので書きます。 

月2回、富士の麓の自衛隊演習地の隣でゲームをしています。今年の夏休みのことです。その日は夜戦をやるということで、夜間10時頃フィールドに到着しました。20人程の人数です。 

その場所は色々と噂がある場所で、井戸あり、廃校あり、貯水池ありのいかにもな所でした。ゲームを始める前にちょっとしたキャンプみたいな状態になり、「おばけ写真取れるかな?」なんて、写真をデジカメでバチバチ取り捲りました。 

すると、なにやら玉みたいなものがたくさん写りました。腰抜けな連中はそれでびびって寝たり帰ったりしました。俺と他5人は、「埃が写ったんだべ」と笑い飛ばして夜戦突入です。

302: 299 03/02/23 07:01
夜間は何事もなく過ぎ、夜は明けようと言う頃。 

最後のゲームとなりました。計6人のゲームで、各自思い思いの場所に潜み、ドンパチやり始めました。サバゲでは、撃たれた人間は「ヒット」と叫びフィールドの外に出ます。俺自身は2人を撃ち、他にヒットコールが二度あったので、残りは1人だと思っていました。
 
その時、前方の茂みに人影を発見。茂みから出た上半身を完璧に視認しました。相手はこちらに気づいておらず、絶対に外さない距離でした。俺は猛射を加えました。相手は隠れました。俺は更に攻撃を加えます。 

すると相手は茂みから出て外に向かいました。俺は終わったと思い、無防備に歩き始めました。そしたら後ろから撃たれました。

出てきた奴に問いただすと、「自分は生き残っていた」との返事。また、他メンバーも俺が猛射を加えた所にはいなかったとの返事。

結局あの人影は何なのか、今も不思議です。午前4時頃の話です。

305: 名無しさん 03/02/23 08:04
幽霊撃たれたのか。

306: 名無しさん 03/02/23 09:10
変質者って可能性は?てか、そっちの方が怖い(リアル体験有り)。

307: 299 03/02/23 09:24
もしサバゲに関係ない奴だったら、BB弾300発くらいぶち込まれて無言でいられるかな。

朝4時にあんなとこに俺ら以外人がいるとは思えん。 

308: 名無しさん 03/02/23 10:59
>>307 
生き残ってたヤツが生き霊飛ばして攪乱したんだろ。 

サバゲーの上級テクニックだよ。







267: 名無しさん 03/02/15 21:04
某県に地蔵山という山があります。山と言っても塚のようなもので、本当に小さいものです。 

その山にはいやな伝承がありまして、かつて江戸時代の初期に豪農が金の力に物言わせて黄金の地蔵を作り、塚に埋めたという黄金伝説があるのです。しかしこの地蔵を掘り起こした者には豪農の祟りがあり、ことごとく死んでしまうと言います。

その埋めた場所を暗号で記した古文書がありまして、明治時代に地元の若者5人組が地蔵の発掘に挑んで3人が発狂 1人が自殺、1人が行方不明なったこともあったそうです。 

大正時代にも発掘をした人がいて、この人も原因不明の病気でうなされ、「地蔵が来る…地蔵が来る…」とうわごとを言いながら、亡くなっていきました。 

そして昭和の頃、またまた成金がこの地蔵の発掘に挑みました。今度の成金は強引で、この山ごと崩してしまったのです。 

しかし、地蔵は出で来なかったのです。 

収まらない成金親父は、その土地に大型マンションを建設し始めました。地元では祟りがあるからやめろという声があったのですが、工事は押し進められました。 しかし悲劇は起こったのです。

現場の視察に来た成金親父はコンクリートの打設工事を見学していました。しかし、柱のコンクリート打設面を押さえていた型枠が外れ、成金親父はコンクリートの下敷きになってしまったのです。5分後、救出された親父は既に窒息死していました。

そしてその体はコンクリートが全身につき、まるで「地蔵」のようになっていたそうです。 

269: 名無しさん 03/02/15 21:06
ある時、Rさんは近所の山にキャンプに行った。子供会の主催だったので同年代の仲間も多く、大変楽しかったという。 

キャンプ場の近くに寂れた墓場があったので、肝試しに行くことになった。Rさんは友人と組んで一番最後にチャレンジした。朽ち果てた墓場は気味悪く、Rさんは友人と一緒にびびりながら歩いた。

ふと背後が気になって振りかえると、男がそこにいる。全身血だらけの男である。Rさんと友人は騒然となり、転がるようにキャンプ場に帰った。翌朝、あれは多分同行した大学生のいたずらだという事になり一応落ち着いたが、何やらふざけたいたずらにRさんは大変立腹したという。

そして1年が過ぎた。また子供会の主催で同じキャンプ場に行った。そして例によって恒例の肝試しをやることになった。そしてRさんはまた友人と組んで最後になった。また今年もいたずらしてくるかな。変な期待を持ってRさんは歩いていた。

また異様な生臭い気配を感じた。背後に何かいる。あの大学生だな。 Rさんと友人は振り向いた。そこには去年と同じように血だらけの男がうつむき加減で立っている。また去年と同じ手である。 

「もう子供じゃないんだから、去年みたいに騙されないわよ」 
「…」 

「なんとか言ったらどうなの?最低よ。あんたなんか死ねばいいのに」 
「…もう死んでます…」 

そういうと男は顔を上げてゆっくりと消えていった。その顔は同行の大学生とは全然違うものであった。

270: 名無しさん 03/02/15 21:09
面白怖ぇーw

271: 名無しさん03/02/15 21:14
「螢だ~!螢!」という誰かのの声がする。

え?螢? 慌ててテントから出ると、テントの外はガスっていて、その中を3匹の螢がお尻を光らせているではないかっ!!!「すげ~!」おいら思わず感動しちまいまいました。

その日はちょうど七夕。天の川は残念ながら見えなかったけど、天の川にも負けない素晴らしい光景を見る事が出来ました。 螢に感動したおいらはまたシェラフへ入りウトウト…。 

おいらが寝ていると近くの山荘の犬がいきなり吠え出した。時間は11時過ぎ。 おいらはそれで目が覚めてしまった。そしてまた寝ようとすると、なんだかテントの外に人の気配が…さらにその気配はおいらのテントの回りをウロウロとし、おいらのテントを時々揺する。誰だよ~!こんな夜中に~!おいらはそう思ってテントから勢いよく飛び出した。

え?誰もテントの回りなどにはいない…それどころか、テントを張っているのはおいら一人。おいらは不思議に思いつつも、再びシェラフへ入り寝ようとした。するとまたその気配がテントの周りを…。

もしかして、幽霊???山での恐い話でよくあるのが、テントの回りを霊が…ってな話。ひ~!恐ぇぇぇ!おいらは耳栓をして無理矢理寝たのだった。その気配は結局十分ぐらいして消えた。

「結局アレは一体…」と思いつつ、月曜に会社の人(相当な山ヤ)に話すと、「プッ」と吹き出された。 「タヌキだよ、タヌキ!」(爆笑)。

そっか、そ~か、タヌキねぇ(苦笑」。