【その1】
ほんのり

67: 名無しさん 02/02/06 03:51
バイト仲間が事故で死んだ。

シフトが違ったのであんまり親しくはなかった。エロビデオをたくさん持っていて、一度借りたことがあった。息を引き取ったのが、八月三十一日だった。

アパートを引き払うのに、実家から出てきた妹さん一人では大変だというので、店長と手伝いに行った(エロビデオもらえないかなーとか思っていた)。
  
壁に貼ってあったカレンダーは、なんか有名なイラストレーターの、ひと月ずつめくるやつだったんだけど、九月以降が真っ白だった。

ほんのり。

68: 名無しさん 02/02/06 03:54
オレは1999年8月以降のないカレンダーを持ってる(笑。

70: 名無しさん 02/02/09 14:01
あれは高校の頃だったかな。 

勉強している間につい眠くなってしまってなぁ…うとうとしていると、なんか視界の端の見えるか見えない所に、小豆色の物が見えたんです。首を動かそうとしても動きませんでした。

これは金縛りというやつか? …で、視界の端をよく見たら小豆色の着物を着た人がそこに…。 

「誰だお前は!」 

叫んだつもりだったのですが 声に出てきません。 顔を見ようとしても全然体が動かないので、視界の端という事もあってはっきりはわかりません。 

「くそ…このままではやられてしまうのか…?」 

小豆色の着物の人を睨みつけました。でもそれから記憶が飛び、朝になってみると金縛りが解けていました。そこで、あの小豆色の着物の人はどうしたんだ? と思い、そっちの方向を見てみると、小豆色の座布団がありました(爆)。

私は座布団に呪われていたのか?実話だけど変な話でスマソ。

71: 名無しさん 02/02/09 18:50
>>70 
よくある。金縛りの時に人間に見えたものが、実はただの物。

恐怖心で一杯だからそう見えちゃうんだよね。

72: 名無しさん 02/02/09 21:46
夜中にうちの愛犬を撫でてやっていると、突然、ハッとしたように僕の方に振り返りました。

最初は僕を見ているものとばかり思っていましたが、よく見ると、愛犬の目線は僕の顔ではなく、明らかに僕の後ろの方でした。吠えるわけでもなく、怯えるわけでもなく、ただじっと僕の後ろを見つめてました。5分もしないうちに、また顔を伏せ、気持ちよさそうに目を閉じました。 

その約5分、大量に嫌な汗を掻いたのは言うまでもありません。

73: 名無しさん 02/02/09 21:48
ウンコが止まらない夢を見ました。

マジで怖かった…。

176: 名無しさん 02/02/26 11:45
>>73 
きっと大金が頃がりこんでくるでしょう。夢占いではウンコは黄金のことだから。

宝くじでも買ってみたら?(マジ)

74: 名無しさん 02/02/09 21:49
アタシ糞詰まり。夢でもいいから出ないかな~。

75: 名無しさん 02/02/09 22:57
去年暮れに某大学付属病院の整形外科に緊急入院しました。歩いて10分というのに、これまで病気に縁が無かったせいか、1度も行ったことがありませんでした。 

入院当日は痛みがすごく、ほとんど寝れない状態でベットでウトウトしていました。ナースステーションの前の病室だった為、ナースコールは頻繁に鳴るのが聞こえ、看護婦さんがバタバタ走る音が聞こえ、重い階段の扉の開け閉めの音が朝まで聞こえていました。

初入院だったので、病院はこんなものかと、体が良くなってもこの音で寝れなさそうだなーと思ったんですが、翌日からは痛みが嘘のように無くなり、普通の人になってしまいました。 それから6日入院生活を送りましたが、夜は大変静かでした。 

入院して判ったことは、救急指定病院だけど交通事故等の患者は来ない。整形外科病棟の2/3の入院患者が足腰の弱い老人で、なんだか老人介護ホームみたいでした。私の見た限り、緊急を要するような患者はいないのです。 

初日の喧騒さは何だったのかと?ちょいと不思議です。

76: 名無しさん 02/02/09 23:19
2年前、家族で引っ越してすぐのこと。夜に俺、母、妹でリビングでテレビを見ていたら、突然「ギャー!!」という絶叫が風呂の方から聞こえてきた。その時、姉が風呂に入っていたので、何事かと全員が風呂へと走った。

廊下を抜けると姉がスッポンポンのまま凄い表情で飛び出してきて、「換気扇からなんか出てきた!!」と母にしがみついた 。母がなだめて話を聞くと(裸のままだったのでちょっと笑えた)、換気扇から髪の毛が出てきてびっくりして、見ると中に人の顔があったと言う。 

俺は恐る恐る風呂に入り換気扇を覗いたが、何もない。

そもそも、換気扇は壁ではなく天井についているので、人が入れるはずもない。気のせいという事に無理やりしてその日は終えたのだが、しばらくすると母や父まで見たと言いだしてきた(しかも何回も)。 

それからというもの、風呂は俺と妹専用と化した。俺と妹は2年もたつがまだ1回も見ず、相変わらず母、父、姉は時々入るたびに出た出たと大騒ぎ。 

まだ引っ越してはいない。

77: 名無しさん 02/02/09 23:38
>>76 
ほんのりじゃなくてスゲー怖いんだけど… あんた勇気ありますな。 

とてもじゃないが、見えなくても俺だったらその家から逃げ出してるよ。

80: 76 02/02/10 08:45
>>77 
勇気があるわけじゃないです、いつもビクビクしながら風呂入ってます。

79: 名無しさん 02/02/10 04:49
>>76 
一度風呂場の天井裏調べた方がいいんじゃないか?
 
前に住んでた人とか行方不明になってない?

80: 76 02/02/10 08:45
>>79 
母と姉が調べてみたらしいが、電気の配線や通風孔があるだけで、人が入れるスペースは少しもないらしい。新築なので、前に住んでいた人はいない。
 
家ができる前はそこは駐車場、でその前は小さなタオル工場だったらしい(これも姉と母が調べた)。 

81: 名無しさん 02/02/10 13:11
3人も見ているのか。 

顔みたい紛らわしい何かがあるのかな。 

82: 名無しさん 02/02/10 17:15
排水溝から大量の髪の毛が逆流して出てきたことはあるが、天井からはちょっと耐えられへんわ…。

85: 名無しさん 02/02/10 17:36
引越ししました。猫がいるのでちょっと古いアパートしか見つかりませんでした。

まぁいいやと思って住み始めたのですが、クリーニングがいい加減だったのか、なぜかかび臭いのです。気分が悪いので自分で大掃除をしていたら、いろいろと不審な物が出てきました。 

1:お風呂場の排水溝にごっそり詰まっていた長い髪の毛。掃除をしていたらずるずるット出てきて吐きそうになりました。

2:居間の天井に茶色い点々。何かが飛び散ったようです。天井も拭きましたがなんだか「血痕」見たいにも見えました。 

3:猫がなぜかお風呂場とトイレにこもって壁に向かって鳴きます。 

4:なぜか近所の人がひそひそこちらをみて話をしています。 

…ここでなにかあったのでしょうか。

86: 名無しさん 02/02/10 17:41
>>85 
1:子供の頭かと思うくらいのやつをこの前ホテルで釣り上げましたぜ。

2:それは怪しい。ちなみに天上の素材は何ですか。クロス貼りならかなり怪しい。 

3:慣れない部屋ではトイレの場所なんか決まってないから鳴くもんですよ。 

4:地方ではふつーのことです。「あら、越してらした方だわ」。

92: 名無しさん 02/02/10 20:24
>>86 
クロス貼りだと何かまずいの…?

96: 名無しさん 02/02/10 21:07
>>92
上から貼り直した所に染み出てきた…とか?

87: 85 02/02/10 17:54
お返事ありがとう。もう引っ越してから1年経ちます。

猫がトイレで鳴くのは、なんだか「聞いてよ聞いてよ」的に鳴きます。ちなみに人間のトイレでです。そして、開けさせます。わざわざトイレに入って鳴くのです。 

天井はクロス張りです。 

近所の人は家族持ちばかりなので。そのせいかもしれません。交流するきっかけがあまりないというか…隣の人が猫嫌いらしいのでそのせいかもしれませんが。
 
だけれど、「まだ何にも起こらないのかしらねぇ」「楽しみにしてたのにね」 …なんとなくそんな風に思えるのですが… いいんですけどね。別に。 

89: 名無しさん 02/02/10 18:26
友達は結構霊感が強いらしく、肝試しに行って彼がああヤバイなと感じた瞬間にエンストしたとか、そういう類の話をたくさん持っています。 

彼はいわゆる珍走大好きな人で、この前も首都高を攻めに夜中出かけたらしいのですが、その時に事故ってしまったそうです。解せないのは彼は運転だけは本当に上手で、彼が事故を起こすなんて考えられないのです。 

事故を起こした場所を聞くと、トンネルになっていて、その上にお墓がある処だそうで、そこで一瞬ハンドルが利かなかったそうです。 

もっと詳しい地名も聞いたのですが忘れてしまいました。何か曰くつきの場所なのかもしれませんね。 

91: 名無しさん 02/02/10 20:22
>>89 
千駄ヶ谷だろ?

90: 名無しさん 02/02/10 19:06
小6の頃、京都に修学旅行に行った。友達なんかと寺巡りをしてて、どっかの寺で数珠を買った。その日の夜、修学旅行にありがちな怖い話をしてたら、数珠がはじけ飛んだ。

その数珠はゴム紐にプラスチックの数珠を通してあったんだけど、その時は手首に掛けてあった数珠を、手の所に持ってきて指を広げたりしてたんだけど、結び目が切れるほど伸ばしたりはしてなかった。 

たぶん、結び目が弱かったんだろうけど、場所的にかなり怖かった。

93: 名無しさん 02/02/10 20:32
友達の妹がこたつの中をのぞいたら、小さな人が横断していったらしい。 

笑えるんだけど、なんか恐い。いろんな意味で…。

103: 名無しさん 02/02/11 01:08
学生の頃、さほど親しくもない知人から電話があった。 

笑ってた。こっちが何言っても笑い続けてた。腹が立って切った。 

その日の深夜、彼は自殺したらしい。首吊りだったと聞く。 

彼が何故俺に電話をしてきたのか、今もわからない。

104: 名無しさん 02/02/11 02:07
>>103 
「その笑い声が知人の者ではなかった」とかだったらめちゃくちゃ怖いな。

105: 名無しさん 02/02/11 14:27
怖い話で「おかむろさん」と言う話があるんだけど、たしか、その話を聞いて忘れるとそ、のおかむろさんが来るって話だったと思う。

こないだAM3:00くらいに窓(ウチはマンションの10階)をどんどん!と叩かれた。目を開けると殺されるらしいので、必死に「おかむろさん。おかむろさん」と唱えた。

めっちゃ怖かった!!!!!

※オカムロさん
うちは母方の血筋が強い親戚は兄を含めて霊感が強いんだが、自分は父方の血が強いのかあまりない。それで霊感が無いもんだから、怖い話特集とかの雑誌を、枕元に置いて寝る前に読むとか平気でやってた。その延長線の話で実話を一つ。

よくあるネタで「この話を読んだら、三日以内死ぬ」みたいなのあるじゃん。定番過ぎて笑い飛ばすような言い回しだけど、実はあれ馬鹿にできないんだよ。

中学生のころだったかな。季節は夏で、テレビや雑誌でも「心霊特集!!」ってのが大流行だった。友達もみんな怖い話とか大好きで、心霊写真や怖い話が載ってる雑誌を回し読みしてた。でも、みんなその雑誌や本を持って帰りたく無いんだよな。

おかげで自分は「おまえ平気なんだろ?やるから持って帰ってくれ」って全部押し付けられて自分の部屋には心霊写真集やら怖い話の雑誌やらが山積みになってた。自分は全然平気なもんだから、その日の夜も寝る前にお気に入りのページなんかを読んでたんだ。

そのいくつかある短い話の中に、「この話を読んだらそいつがやってきて、窓をノックするんだ。その時に呪文を三回唱えないと、部屋に入り込んできて首を切られるぞ」ってのがあった。まぁ定番の「特集ページ!」みたいなやつで、読み流すような一段落程度の短い話だった。

いつも通り適当に本を楽しんで、何の代わりも無く寝ようと横になってた。しばらくすると、窓からコツッ、コツッって音がしたんだ。

自分の部屋は二階で、車道に面した窓しかない。ベランダもないし、せいぜい窓枠に小鳥ならとまれるかな?くらいの突起しかない。最初は鳥かと思ったけど、夜中だし、都会の真ん中で昼間でも鳥が窓を小突くなんてあったためしがない。窓の方を見てみたけど、カーテンがかかってるし何も見えない。

気のせいかな?とは思ったんだけど、例の話を読んだ直後だったから気にならないわけがない。空耳だと自分に言い聞かせつつも、目は冴えて、頭の中じゃ例の呪文を必死になって思い出してる。んで、ただただ息をのんで耳をすませてた。

すると今度はハッキリとコツッ、コツッって窓をノックする音が。やべーー!!ってさすがに怖くなって、慌てて呪文を三回唱えたよ。

その呪文は、何十年も前の話なのに未だにハッキリと覚えてる。

「オカムロ、オカムロ、オカムロ」

その後は何も起こらなかった。

しばらくして、おそるおそる窓際までに行ってカーテンを開けて確認したけど、もちろん何もない。家の前はアスファルトの道路で、向かいはガレージ。夜中は、人が歩いてたら足音だって聞こえる環境だから、誰かのいたずらってのも考えられない。

いったいなんだったのか未だにわからない。その辺に掃いて捨てるほど転がってる、ネタのような呪われる話。馬鹿にできねーよ。

あと一応、対処法転載しとく。

オカムロは突然に部屋の外に来て、ドアや窓をドンドンと叩き続けます。その時にすぐに目を瞑り「オカムロ、オカムロ」とオカムロが消えるまで唱え続けなければなりません。2、3分で消えてくれることもあるそうですが2、3時間かけても消えてくれないこともあるようです。

ただ消えるまで絶対に目を開けてはいけません。

一度、オカムロが尋ねて来た人は今後この話を聞いても大丈夫と言われています。初耳の人は今後ドアや窓の音に注意してください。

106: 名無しさん 02/02/12 03:12
旅行先で急に予定が変更になり、日本海沿いにある歴史の古い町に一泊することになったその時の話。 

日が暮れてから、最初に目に入った旅館に入ったんだけど、シーズンオフのせいかすんなり部屋が取れた。表から見た時には気がつかなかったけど、なんか格式のありそうな旅館で、長い廊下を案内されてたどり着いたのは古くて立派そうな部屋だった。柱なんか黒光りしていて。 

とは言え、よく心霊話にあるように、嫌な気配を感じたとか、寒気がしたとかいうことはなかった(というか、そもそも霊感みたいなものはないんだけど)。畳や調度品も新しく、清潔で快適な部屋だった。従業員も愛想が良い。
 
飯を食って露天風呂につかって、さあ、あとは酒を飲んで寝るだけ、と部屋でくつろいでいると、窓の外から何やらにぎやかな音がする。

107: 106 02/02/12 03:16
カーテンの隙間からのぞいてみると、植え込みの向こうに大きな離れのようになった建物があって、そこの座敷で宴会をしているらしい。騒がしくされたらかなわないなと思っていると、三味線の音が耳に入った。

芸者さんらしいのが二人ばかり、ゆったりと優雅に舞っている様子が、障子越しに見て取れる。「ほう、今どき」と思ってよく耳を傾けてみると、手拍子ひとつ、笑い声ひとつ取っても、なんともいえない品がある。セクハラおやじどもがカラオケをがなりたてるウチの会社の宴会とは大違いだ。

今でもこういう遊び方をする人がいるんだな、と陽気さのおこぼれにあずかった気分で酒を飲み、酔いの回った体をぬくぬくと丸めて、夜が更けてますます盛り上がる宴の賑わいを遠くに聞きながら眠りに落ちたのだったが、翌朝窓の外を見ると、植え込みの向こうには有刺鉄線を張られた雑草のはびこる空き地が寒々と広がるばかりで、座敷と見間違えそうな建物の影もなかった。

108: 名無しさん 02/02/12 03:27
なんか昔話みたいだ。その宴会に参加しないでよかったね。

狐の話になんか似たようなのがあった気がする。

109: 106 02/02/12 04:30
そうか、あれはキツネだったのか…。
  
しかし、目が覚めたら野原にいて、手には食べかけの土まんじゅうが…というのも一度くらい体験してみたい気が…。

112: 名無しさん 02/02/12 05:11
>>109 
でも温泉かと思ってたら肥だめだった…てのも経験する可能性あるよ(笑。 

114: 名無しさん 02/02/12 05:19
>>106
いい話だね。

新見南吉の童話で、酔っぱらった人が全体的に黄色い座敷で太夫さんに三味線を聞かせてもらったら、どうも狐だったらしい、ってのがある。狐がいたのがれんぎょうの花咲き乱れる所だったので、座敷が黄色っぽかったとか。 

なんか、思い出した。

110: 名無しさん 02/02/12 04:46
狐のせいにしちゃったら浪漫がないよ。別にいやな思いしたわけじゃないでしょ? その旅館に刻まれたいにしえの記憶を垣間見た、ってことにしようよ。 

111: 106 02/02/12 05:09
>その旅館に刻まれたいにしえの記憶を垣間見た 

そうかもしれん。旅館の人の話だと、その空き地は元々旅館の敷地だったのを切り売りしたものだそうだから。だけどそれだと何か怖いからキツネだと思いたい。思わせてくれ。 

113: 名無しさん 02/02/12 05:14
キツネで思い出したが、キツネの化けた女は狭陰で、なかなか入らないらしい。 

118: 名無しさん 02/02/13 02:51
狐といえば、どの本でだったかどうしても思い出せないんだけど、ずっと前にこんなのを読んだ覚えがある。 

戦後しばらくたった頃、地方のある農村での話。村で一番の旧家の跡取り息子が失踪する。山狩りをしても池を浚っても見つからない。金か女のトラブルかと思い、人を雇って調べさせたがまったく手掛かりがない。

ひと月もたった頃、夜中に屋敷の床下から声がする。家の者が庭に出て見ると、失踪した息子が縁の下から転がり出てきた。錯乱した状態で「女房が、子供が」と叫びながら 床下を指さす。懐中電灯を当ててみると狐の親子が。親狐は牙を剥いてこちらを威嚇すると、子狐たちをつれて逃げ去った。 

地方都市の精神病院に入れられたその息子が語った話。 

その日の夕方、彼は庭先で若い女が泣いているのに気づく。どうして泣いているのかと尋ねると、家に蛇がいて怖くて帰れないのだという。それならば自分が助けてやろうと、男は女について行き、山の中に入る。

見たこともない道を案内され、小さな小屋にたどり着く。柱に巻きついていた蛇を石に叩きつけて殺すと、女がお礼に料理と酒を振舞いたいと言う。酔っ払った男に泊まっていけと勧める。

119: 118 02/02/13 03:00
明かりを消してからしばらくして、女が話しかけた。 

「もうお休みになりましたか」 

男が黙っていると、女が布団からぬけ出す気配がする。しゅるしゅると着物を脱ぐ音がする。するり、と男の脇に温かい体が滑りこんでくる。翌朝、もう少しここにいてくれないかと女が頼み込む。男はそうする。

十日が経ち一週間が経つ。女は昼間外に働きに出、夜も電球の下でこまごまとした仕事をしている。女が働いている間、男はぶらぶらと遊んでいる。明かりを消した後は、毎日のように交わりをもった。

「家が恋しいのではないですか」

女が尋ねる。そんなことはない、このままずっとここにいたいくらいだ。男は答えて、女の体を抱き寄せる。 

半年も経った頃、明かりを消した後でいつものように腿の間に差し入れようとした男の手をそっとつかみ、腹の上に導くと「孕みました」と女は告げた。

「もう一生、離れないでください」 

離れるものか。男は誓う。

120: 118 02/02/13 03:02
十年が経った。三人の子供が生まれた。女はあいかわらずよく働き、男を養っている。

ある夜、男がふと、家に帰ってみたいと漏らす。ずっと一緒にいると言ったではないか。女がなじる。いや、どうしても帰ってみたいのだ。男がなおも頼み込むと、女が突然怒り出した。 

「そんなに行きたいのならとっとと出て行くがいい。その代わり二度と戻ってくるな」 

男は土間に突き落とされる。眠っていたはずの子供たちが、いつの間にか母親の後ろに並んでこちらを見下ろしている。皆の様子がおかしい。目が光っている。歯をむき出している。獣の匂いがする。 

逃げ出した男が気がつくと、病院のベッドの上だった。 

狐に憑かれたのだと村の者は噂した。病院の医師は一笑に付した。病人の妄想にすぎないと。

おそらく昼間は床下にひそみ、夜中にどこかから食べ物を盗み出していたのだろう。しかしそのような暮らしをひと月も続けて、やせ衰えているはずの男の体はむしろ以前より太っていた。

発見時に着ていたシャツは失踪した時に着ていたのと同じ物だったが、いくらか土ぼこりがついていたものの、洗い立てのように糊がきいていて、ひと月も着続けたものとはとうてい思えなかった。

背中の小さなかぎ裂きに、丁寧な繕いが当ててあった。

125: 名無しさん 02/02/13 03:26
>>118-120 
切ないよお…うるる…。



117: 名無しさん 02/02/12 21:39
私が小学生だった頃、家の近くの養鶏場が取り壊されるので見物に行った。

屋根を壊し、壁を壊し、床板をベリベリとはがすとそこには真っ黒な地面が。「ん?」だがなんか地面にしてはおかしい…次の瞬間、真っ黒な地面がわらわらと四方八方に散らばっていく! 地面だと思っていたのはおそらく何千匹というゴキブリ! 

あの時は現場が大パニックでした。近くにあった家はどうなったんだろう…。 

121: 名無しさん 02/02/13 03:09
小学生の頃、全然知らないオジサンに「今、幸せ?」と聞かれて返事できないでいたら、いきなりそのオジサンが踏み切りに飛び込んで死んでしまったことがある。 

今は、あまり思い出してもイヤなことはなくなったけど。

122: 名無しさん 02/02/13 03:11
>>121 
要するに見たあなたを不幸にしたかったのね、そのおじさん。 

124: 名無しさん 02/02/13 03:26
>>121 
それって「うん」って答えたら飛び込まれそうだけど、「いいえ」って答えたらどうなったかなぁ?

126: 名無しさん 02/02/13 03:30
>>124 
どう転んでも不幸な結末は避けられえない運命だったかもしれないな。 

ドラクエ1の 
「おまえにせかいのはんぶんをやろう」 

はい 
いいえ 

と同じでさ。

129: 名無しさん 02/02/13 05:21
一人暮しを始めて半年ほど経った秋の早朝、誰かが玄関の扉を勢い良く叩いている。 

布団から手を伸ばして携帯を見ると午前7時。客が来る予定はないし、セールスが来るような時間でもない。大体うちは一人暮し用のマンション なんでセールスなんてほとんどこない。

面倒で布団に包まってやり過ごそうとしていると、ドアノブをゆっくりと捻る音が音が聞こえた。 

「しまった!昨日帰ってから鍵締めてねえ!」 

130: 129 02/02/13 05:33
靴を脱ぐ音は聞こえないので、「ああ、カタギの人じゃないな」と絶対に泥棒か強盗だと思った。

怖くて布団にくるまっていると、すりガラスの引き戸一枚隔てたキッチンで、ナベやフライパンをいじる、甲高い音が聞こえる。寝ているふりをしていれば取るもの取って帰ってくれるだろうか。訪問者はいつまでもキッチンをいじりまわしている。蛇口から水が流れる音も聞こえる。

一体何がしたいのかまったく分からなくて、ものすごく怖かった。 

131: 129 02/02/13 05:38
音がやんで布団から覗き見ると、すりガラス越しに男がじっと立ってるのが分かった。180cmくらいの細身の男が、戸のすぐ前に立っているのがわかった。

目が合った気がした瞬間、男が戸を思いっきり叩き始めた。すりガラスがすごい音をたてて揺れた。もう目的が全くわからなくて、涙ぐんでただ布団にくるまってた。2、3分くらい男は戸を叩いていた。 

ふと辺りが静まり返ると、足音がしてドアを開ける音が聞こえた。 

133: 129 02/02/13 05:42
今思うと、ドアを開けて帰ったふりをして待ち構えていた、とかそういう思考がどうしてできなかったのか分からないが、男が帰ってくれたと思いこんだ自分は、なんの警戒心もなく寝室を飛び出し、玄関の扉まで走り寄って鍵を閉めた。 

モチロン男は本当に帰っていたから、今こうしてカキコできてるw。 キッチンの流しの蛇口から水が静かに流れていて、コンロからなぜか床に置かれたナベやヤカンにものすごい悪意を感じ、身震いした。

ナベやヤカンは新しいものに変え、以来どんな時でもキチンと鍵をしめている。 

135: 名無しさん 02/02/13 05:58
>>129 
こええよ、それ。 

頭のオカシイ人とか近所にいない? 用心したほうがいいよ。