【その8】

洞窟
【謎のハコ】富士の樹海風穴で奇妙な発見!【総集編】

※48の最後の書き込みから6日後

604: 48 02/04/14 21:46
俺らは本当に驚いて振り返る。おっちゃんが箱の事で、俺らに指図するのなんてはじめてだ。 

驚いた俺らが、おっちゃんの顔を言葉もなく見つめていると、もう一度はっきりと、やめとけって言った。 

おっちゃんは、ゆっくりとした話し方でしゃべりだす。

 
いつになく、難しい言葉がいっぱいはいってる・・・ 

でも、よく分からないのは、俺たちが子供だったからばかりじゃないはずだ。 ぜんぜん、要領を得ない・・・ 

605: 48 02/04/14 21:47
でも、なんとなくは伝わってきた。今じゃなくていいって事だ。

中学生になってからだっていい。もっと、ずっと先でもいい。

とにかく、完成させるのはいつだって出来るって事を言いたいみたいだった。 

606: 48 02/04/14 21:48
俺は、少し考える。

でも、ここまで来てやめるのはやっぱり残念だ。きっと、2人だってそのはずだ。だいたい、おっちゃんは作るのには参加してないし。 

おっちゃんの言うこともわかるけど、でも、やっぱり・・・ そこまできて、やっとバカな俺にもわかったんだ。 

作るのには参加してなくても、おっちゃんはいつもそばにいたこと。なんたって、ここはおっちゃんの家だってこと。 

そして・・・もう、みんなにあえなくなるかもって不安になってるのは俺らだけじゃないってこと。 

607: 48 02/04/14 21:48
そうなんだ。

俺らがもし、来なくなっちゃったらおっちゃんはホントに一人ぼっちなんだ。

そうだ。箱が現れてからというもの、俺らはほとんど毎週おっちゃんの穴に行ってたんだ。 

俺らがいくと、おっちゃんはホントにうれしそうだった。「としろう」も垂れたしっぽをすごい勢いで、振ってたっけ。そうだ、「としろう」もいたんだ。

「としろう」・・・「としろう」にも会えなくなっちゃうかもしれないんだ・・・ 

608: 48 02/04/14 21:49
すこし、考えて俺の気持ちは固まった。
 
俺は、二人と顔を見合わせる。細谷は、舌を鳴らしながら、「しょうがねぇなぁ~」とか言ってた。こいつらしい。 でも、わかってたんだ、俺には。 こいつがホントは馬鹿なんかじゃないってこと。 

今だって、しっかり空気を読んでるはずだ。 そして、ぜったいほっとしてんだ。 俺には分かる。 

新貝さんは、ニコニコ。今思い出しても、とってもいい顔だった。 

609: 48 02/04/14 22:14
結局、俺らはやめることにしたんだ。 

おっちゃんは、うれしそうだった。「としろう」もなんだか、うれしそうだった・・・けど、これは気のせいかもしれない。 なんせ、犬だし。 でも、いつもよりしっぽがぴんとしてた・・・様な気がする。 

俺らは、最後の部品を穴の中に埋めて置くことにした。誰かが、完成させたんじゃ意味がない。誰にも見つからないように、穴の壁の少しえぐれたところの地面をほって、部品を埋めた。 

そして、えぐれた壁にマジックで、太陽と、星と、月を描いた。俺らだけに分かるマークだ。 

埋める

610: 48 02/04/14 22:15
埋め終わったとき、俺は、大切なことを思い出した。

・・・そうだ、結局、これってなんだったんだろう?あの、部品を差し込んだら、どうなったんだろう? 

でも、すでに心の決まった俺は、いつかわかるはずだという思いでその疑問を打ち消してしまった。
 
そうだ。いつか、きっとわかる。 

細谷がつぶやく。誰にも見つかるなよ。ぜったいに、俺ら三人でオマエを迎えに来るからな。 

そして、この約束は、半分は果たされ、半分は果たされないこととなった。 

611: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/04/15 01:01
( ;゚Д゚) ドキドキ・・・

612: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/04/15 20:57
>>1 はへたれだったけど、でも、ここつくったんだからえらいよ。スレがここまで成長するなんてきっと想像もつかなかっただろうな。こうゆうのを瓢箪から駒っていうんだろな。 

616: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/04/21 04:13
終わり・・・なの?

※48の最後の書き込みから8日後

617: 48 02/04/22 23:47
最後の一つを隠し終わって顔をあげると・・・新貝さんがいない。

 穴の入り口のほうを振り向くと、箱の前で新貝さんが何かしている。 ひょっとして、新貝さん、これを埋めたのが不満だったんじゃ・・・ 

不安になった俺が新貝さんに駆け寄ると、新貝さんは相変わらずニコニコのままだ。ホッとして新貝さんを見る。 

新貝さんは、箱に何か描いていた。

 箱の、一番前。 さっきまで、俺らがためらってた場所。最後の、虫食いのその上に、新貝さんはマジックで何か描いている。 

俺ら三人の絵。 水のみ場にタイルで描いたのと同じ絵だ。 

618: 48 02/04/22 23:48
俺が見つめていると、描き終わった新貝さんが振り向いて、そして微笑んだ。 

何だか泣きそうになる。やばい、今度はホントにやばい。細谷だっているんだし、これはやばいぞって思って、あわててその場から離れようとしたら何かにぶつかって倒れこんでしまった。 

こんなとこに何が・・・細谷だ。 細谷もバランスを崩して俺の前に倒れている。 こいつ、いつのまに俺の後ろに・・・ 

だいたい、こいつ、デリカシーってもんがなさ過ぎる。

ひょっとしたら、最後の2人っきりかもしれないじゃないか。うしろで黙ってみてるなんて、最低だ。こんなときぐらい、そっとしとこうとか思わないのか。 

・・・泣きそうだったの、ばれたかな・・・ 

619: 48 02/04/22 23:49
でも、やばかったのは俺だけじゃなかったみたいだ。 

細谷は急いで顔をそらしたけど、一瞬見えたその目は真っ赤だった。なんか、上唇を下唇にしまいこんで、顔が真ん中によっちゃったみたいな・・・

こいつのこんな顔、初めてみた。あっけにとられてると、細谷が勢い良く立ち上がって、箱の陰に隠れた。 

不思議な音が穴の中にこだまして、星マークの旗が勢い良く立ち上がる。

細谷が自分のスイッチを押したんだ。 

620: 48 02/04/22 23:51
細谷は次々にいろんな音とともに、いろんな場所で旗を立ち上げる。穴の中は、音の洪水だ。 

621: 48 02/04/22 23:52
突然細谷が、ぴょん、と飛び跳ねた。

足を大きく開いて、両手を上に上げている。顔は上を向いていて、表情は分からない。・・・ってか、泣いてんだと思うけど。 

俺らがあっけに取られていると、今度は急に、横っ飛びに飛んだ。とんだ先でスイッチを押す。星の旗が勢い良く立ち上がる。 

奴は、音に合わせて片足立ち、水平バランスのような格好でゆらゆらしている。 

顔は、相変わらず俺らには見えない。 

622: 48 02/04/22 23:53
続いて細谷はダッシュで近くのスイッチまで走ると、それを勢いよく押し込んだ。 

ピコピコピコ・・・・音を立てながら旗が上がる。それに合わせて、今度はその場で足踏みをはじめた。 そして、近くのスイッチを押すと、 ポン! 音に合わせて、最初のポーズだ。 

細谷は、そのまましばらくじっとしている。 どうやら、決めポーズのようだ。 

623: 48 02/04/22 23:54
呆然としていると、突然新貝さんがはじけたように笑い出した。
 
細谷がゆっくりと顔をこちらに向ける。

ニヤッとした、人の悪そうな笑みはこいつのトレードマークでもある。受けたのに気をよくして、自分を取り戻したらしい。
 
新貝さんはまだ笑っている。雰囲気が変わったのを察知したとしろうが、新貝さんの周りをぐるぐる走り回る。 

624: 48 02/04/22 23:55
細谷は又、音とともに踊り始める。

新貝さんは笑ってそれを見ている。「としろう」はどうやったら仲間に入れるのか分からずに、細谷と新貝さんの間を行ったり来たりしていた。 

うしろから、肩に手を置かれた。振り向かなくたっておっっちゃんだって、わかってた。 

おっちゃんは、新貝さんの肩にも手を置いている。新貝さんは、見上げるように振り向いて、にっこりと笑った。

気づくと「としろう」は、俺の足元ですわって細谷を眺めている。 

・・そうだぞ、あれは眺めるものだ。 賢いお前が参加なんかしちゃいけない。 

625: 48 02/04/22 23:56
新貝さんが大切な忘れ物に気づいたように、さっきの絵のところに駆け寄った。

俺たち三人の絵のところに、なにか書き加えている。 


俺ら三人の後ろに、おっちゃんを。 


俺の足元に「としろう」を。 


・・・おっちゃんが妙にリアルなのが気になる。 

でも、とってもいい絵だった。 

光へ

626: 48 02/04/22 23:57
何だか胸がいっぱいだ。 でも今度は、不思議と泣きたくはならなかった。 

箱というものを通して、俺らはこれからもつながっているんだ。 そんな、満足感があったんだ。 

628: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/04/23 01:41
少し感動してしまった・・・。

631: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/04/25 10:52
誰か言っていたけど、これ、ほんとに和製スタンドバイミーだね。 6時台の少年向きドラマに使えるよ。

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ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
2011-01-26



633: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/04/26 15:43
続き まだ?

641: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/05/03 15:48
>>48 
みんな待ってるんだってことよ。 結末を知りたい!!

637: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/04/29 21:35
もうこれ以上おっちゃんに危害が及ぶような事言うのはやめれ。 

638: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/04/29 21:40
たぶん>>1のガラス状物質は、富士の樹海の中ってことだから、たぶん陸上自衛隊の訓練着弾確認装置だったと思う。 あれはたしかガラス状のものだったし、サイズも>>1の言っているのとほぼ同じ。 

傷がつかなかったというけれども、少しくらいはついたはず。いちおう防弾ガラスでも傷はつくからね。

684: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/05/10 15:37
それにしても>>638は本当なんだろうか ?着弾確認装置って事は自衛隊は樹海に弾を撃ちこんでるの?

※自衛隊には着弾観測班があって、迫撃砲・りゅう弾砲などの着弾観測・射撃修正を行うようなのですが、いろいろと探してみましたが「訓練着弾確認装置」と言うものは見つかりませんでした。

643: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/05/03 20:12
なかなかだ。よーし。

644: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/05/03 21:06
>>1の見たものは>>638で解決てことで、あとは48が続きを最後まで書けば、このスレも無事終了だな。 

というわけで、待ってるよ、>>48

※1: 遺跡マニア 02/03/02 23:03
こないだ富士の樹海で道に迷い、偶然発見した風穴に入りました。 

奥に進み、誤って2メーター位の地割れに滑り込んだ先で、変な物を発見。 青い透明なガラス状の物で区切られた高さ3メーター程、幅おおよそ10メーターの部屋見たいな物です。

ガラスかと思い、岩で叩いたのですが、金属音がして傷一つ付きません。中に何が在るか調べましたが、ドーム状の何かが薄っすら見えるだけ。未だにアレが何だったのか全く判りません。

何とかその風穴を抜け出し、逃げてきた後、又見たくなり行ってみたりしました。 しかし、その風穴は、どうしても見つけられませんでした。 

誰かこれと同じ物、若しくは同じ様な状況で変な物発見した人、レス下さい。

※発見した物体の特徴 
①)規模(露出部分)は高さ約3m 横幅10m程度(奥行きは不明)。構造物の一部が見えていたが、地中に埋もれて居るため裏側には廻れない。 
②叩くと金属音がする。硬質で叩いても傷は付かなかった。 
③露出部分の壁面に継ぎ目はなく、出入り口の存在は確認できなかった。 
④壁面は光を通さず、それ事態が発光しているように見えた。 
⑤自己発光により、内部にはドーム状の物体が幽かに見える。 
⑥風穴内部は乾燥していた。 
⑦生物の存在は記憶していない。




648: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/05/04 15:14
結末がでたらもうみんなこのスレにこなくなっちゃうでしょ…

649: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/05/04 23:15
既にきていないと思われ。

652: (;´Д`)ハァハァ 02/05/05 17:40
あんまり樹海でウロウロしてると訓練中の隊員に撃たれるぞ

653: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 02/05/06 16:43
>>48の話すごく好きだったから、続きが読みたいんだよぅ。 >>48~、今からでもいいから続き考えてよぅ。

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