【その5】
病院

71: おみあげ 01/09/11 17:28
友人Tくんの話である。 

彼は、人間的にいい奴であったが、いつまでも彼女が出来なかった。いや、正確に言うと、出来ないのではなく長続きしなかった。理由は、友達なら誰でも判っていた。 

「水虫持ち」 

それも、足の原型が判らないほどの「水虫」だった。

市販されている、ありとあらゆる薬を使ったが、根気のない性格のため、決まった用量、回数を守れず、治るどころか、年々悪化の一途をたどっていた。

そのため、いつも我々の家に遊びに来るときは気を使って、靴下を 3重、4重に履いてやってきていた。

結果、水虫に加えアセモにも冒され、真っ直ぐ立つことも困難な様子であった。そんな、状態の彼と彼女が長続きするわけはなかった。 

最近、Tくんはようやくできた彼女と「水虫」のことで別れ話になった。 

「おれ、死にたいよ…。」 

彼女をあきらめきれない彼は、仲の良い友人に相談を持ちかけた。 

「おいT、泣いてないでさぁ、医者へ行ったら?」 
「医者はいやだ!」

72: おみあげ 01/09/11 17:29
彼は、首をふった。 「だって、足が腐ってきたらおしまいだよ…。」 

彼は、友人の説得にも耳を貸さず、ただ泣きじゃくっていた。 

数週間後……。 

タイ国への出張から戻った友人は、帰るなりTくんを呼び出した。Tくんと彼女は辛うじて別れてはいなかったが、彼の話を聞く限り、別れるのは時間の問題であった。 

友人は話を聞いて、仕方なさそうに、「T、これ、おみやげ。」 と、茶色い1本の小瓶を渡した。 

「これは、向こうの水虫の薬だ。とりあえず、気づいた時でいいから塗ってみな!たぶん直るから。」 
「ありがと。 そう言うなら、とりあえず試すわ…。」 

Tくんは、所詮気休めだという表情で、しぶしぶ小瓶を受け取った。 

それからしばらくして、友人の元にTくんから電話あった。

73: おみあげ 01/09/11 17:29
「お前からもらったおみやげを、塗ったらさぁ、直ったんだよ!」 

Tは興奮していた。 

「…良かったね。」 

Tの興奮と裏腹に友人は冷めていた。 

「いや~。いいよ、この薬。おかげで彼女とのヨリも戻りそうだし、ほんとにありがと!」 

Tは、相変わらず興奮していた。 

「T、直ったんなら、その薬はもう使うなよ…。」 彼の感激に水を差すように、冷たく友人は言った。 

「え~?だってまだ完全に直ったんじゃ無いかもしれないし、実際、あればもう1~2本欲しいくらいだよ。」 

Tくんは続けた。「いろんな薬を試したけど…、なんでこれは効いたのかなぁ? 他のとはやっぱり、成分が違うのかなぁ。」 

「まぁな…。」 友人は小声で答えた。 

「やっぱりそうか!なぁ、何が入っているんだ?何が効いたんだ?」 
「………。」 

友人は黙ったままだった。 

「なぁ、なんだよ。教えてくれよ!」 
「………。」

74: おみあげ 01/09/11 17:30
しかし、友人は押し黙ったまま答えようとはしない。しばらくの沈黙ガ続いた後、業を煮やしたTくんは、友人に向かって怒鳴った。 

「じゃぁ、いいよっ!絶交だかんな!いいなっ!!」

そのとき、電話の向こうで声がした。 

「………す…い………ん……。」 
はっきり聞き取れない。すかさず彼が聞き返した。 

「えっ?なに?」 

友人は、今にも消え入りそうな小声で、こう言った。 

「……す、……水   銀………。」 

「…!…」 

Tくんからの電話は、そこで切られた…。 

75: おみあげ 01/09/11 17:30
* 水銀入り「水虫薬」 
実際、タイ国やその周辺国では、水銀入りの水虫薬が一般的な水虫薬として販売されています(とにかく効く)。おみやげとして持ち込む日本人も多い代物。

皮下に浸透し、水虫の原因である菌を一撃で抹殺するその威力は当然、人体も猛毒であり、継続的に使用し続けると「水銀中毒」で死に至る場合もあります。日本では、危険のため厚生省が認めていない薬の一つ。 

追伸.Tくん、あの時はごめんなさい

※かつては日本でも「水銀軟膏」という名で市販され、梅毒やケジラミの駆除に用いられていました。

76: 名無しさん 01/09/11 17:32
>>75 
ええ話やなあ。謝る必要なしや。ええ仕事したで、自分。

77: 名無しさん 01/09/11 17:34
でも、心境複雑だよね^^;

78: 名無しさん 01/09/11 17:38
っていうか「水銀」とだけ言って電話きんなや~

85: 覗く子供 01/09/11 21:07
私の友人Y君が小学生の頃、足の骨を折ってしまい、地元のとある病院で入院していたときのことです。 

やはり遊びたい年頃ですから、病院という空間はとても退屈なものでした。たまに友達がお見舞いに来てくれても、何もする事がなく、彼はいつも暇をもてあましていました。

そんな中、あまりに退屈だったY君は、友達がお見舞いに来たときに、事もあろうか病室で「コックリさん」を始めてしまったのでした。 

「コックリさん、コックリさん…」 

ふと、Y君は視線を感じ病室のドアの方に目を向けました。

すると、普段は看護婦さんが病室の中を覗く覗き窓から、幼稚園生ぐらいの小さな子供が、とても悲しそうな目でこっちをじっと見ていました。 

そこはどう考えても、そんな小さな子供が覗けるぐらいの高さではないのに…。 

後で看護婦さんにその話をすると、看護婦さんは、「え…、君も見たの…」 と言ったたそうです。

話によると、その病室の隣にある集中治療室で何年か前に小さなお子さんが亡くなったそうで、それ以来、その子が病院内で見かけられるようになったとの事でした… 
 
Y君は、いまでもその子の悲しそうな目が忘れられない…と言っていました。

87: 名無しさん 01/09/11 21:11
偶然だな。

88: 名無しさん 01/09/11 21:14
高校時代の友人『A』から聞いた話だ。 

彼が中学3年生のころの事。それは進学塾からの帰宅途中に起きた。自転車を漕ぎながらふと時計を見ると、針は九時半を回っていた。 

「まずいなあ。十時からみたいテレビがあるし…。近道するか…。」 

しかたなく彼は、普段は足場の暗さから避けている小学校脇の農道へ向かった。暗い農道を走り続けると、急にひらけた所へと出た。やがて、遠くに小学校の校舎が見えてくる。 

「あれ?」 

校舎の壁の小さな窓に、誰かがいる。 彼の自転車を漕ぐ速さが増し、段々と小学校へと近付いてゆく。
 それは、ひとりの少女であった。窓から腰まで身を乗出しこちらの方をジッと見ている。 

「こんな時間に何やってんだろう。何年の娘かな。」 

根っからのひょうきん者の彼は、自転車を止め少女に向かって、大声で叫びながら、ありったけのギャグをかました。しかし、少女は無表情のまま一言も喋らず、ただ虚ろな目で彼をじっと見つめているだけであった。 

「変な娘…。」 

あきらめて、自転車のペダルを漕ぎ始めたその瞬間!彼は気が付いた。 

「変だ! あの壁に窓なんかある筈無い! 彼女の胴体も不自然に長すぎるし、だいいち腰から下がねじれている…。」 

彼は悲鳴を上げ、泣きながら家へと走った。 

そして、テレビは見なかった。

89: 名無しさん 01/09/11 21:16
なんで…TV観ないの? 

90: 名無しさん 01/09/11 21:17
>>88 
どうでもいいが「病院」とは別スレだな。

92: 名無しさん 01/09/11 21:19
手術は前金でしかやらない病院は怖い

94: 名無しさん 01/09/11 21:22
>>92 
え”そんな病院あるんですか?

95: 名無しさん 01/09/11 21:23
>>94 
ブラックジャック。

102: 名無しさん  01/09/11 23:16
私は、十数年近く製薬会社の営業、MRをしていました。

ドクター、看護婦 技師さんたちと話す機会も多く、驚くべきことに大概の人は霊体験のようなものに出くわしてます。 

婦長(病棟の看護婦のリーダー)クラスになると霊に出くわしても平気です。ただ新人看護婦がいきなり見てしまうと、精神的におかしくなる人もいます(大概、体調不良で退職しますが…)。
 
今日はパソコンにまつわる、某医大で起こった事件を紹介します。 

その医大は東京都内にあり、赤阪や六本木に近く、芸能人やスポーツ選手の御用達の病院でした。その当時MACのパソコンが流行で、ドクターや技師さんが医学会のスライド作りに、競って購入していました。 

私の古い友人に、技師のHさんがいました。私がこの医大を担当してから、業者と技師の関係を通りこして、友人としてのお付き合いをしていた人でした。 

この人もパソコンが好きで、当時発売したてのMACを買って病院の当直室に置いて、夜勤に日には一晩中モニターに向かっていました。 

このHさんが「頭が痛い」と、休んで3日後に急逝しました。死因は髄膜炎でした。 

このHさんが亡くなってから、病院のいたるところでHさんが目撃されました。 

夜誰もいない待合室から2階に上がるエスカレータに乗っていたり(夜はエスカレータはとまっているはずだが…)、2階の清算窓口から病棟入り口へす~~~~っと入っていったりしました。 

院内で大騒ぎになり(もちろん患者さんには言いませんが…)、例のHさん所有のパソコンを実家に引き取ってもらった結果、霊現象はピタリと止まりました。

やっぱりやりかけののデータがセーブされてるMACが気になったんでしょうね…

今でも医大のドクターと話をしますが、語り草になっております。 

あなたのパソコンは大丈夫ですか?…

107: Happy 01/09/15 04:28
私は都内の謀産婦人科の看護婦をしています。

毎日多くのBABYちゃんが生まれる中で、親の身勝手で産まれて来れない赤ちゃんも中にはいます。

こんなこと言うと非難を浴びますが、降ろされた赤ちゃんのほとんどがごみ箱へ捨てられて、焼却されています。手のひらより小さく、手と足と頭が出来かけているのに、なんだか猫や犬の死骸を扱うかのように焼却されていきます。

私は始めの頃は良心が傷んでいましたが、慣れは恐いもので、次第に平気になっていきました。 

私の体験は、このゴミの中に捨てられてしまった赤ちゃんに纏わる話です。

108: Happy 01/09/15 04:29
いつものように勤務に付いた私は、産まれた赤ちゃんの居る新生児室でおむつを変えたり、熱を計ったりしていました。

しばらくすると「看護婦が今日に限って二人も休んでいるから、手の足りない所へ回ってください」と婦長に言われて、普段は私の担当でない手術室へ渋々行く事になりました。

他の人に変ってもらいたいと思いながら、手術室のある三階へ向かいました。手術といっても、降ろすだけの手術だけとは限りませんが、ほとんどが堕胎手術が多いので、気が進まなかったのです。 

その日も既に三人の堕胎手術が終わり、後二人の手術予定がありました。患者が来院し手術を終えて、後かたずけをしていました。

血の付いたガーゼや、ガーゼに包れた胎児、手術に使った精製水の入れ物や点滴の容器(針は含まない)などを一緒に黒いビニール袋へ入れて、病院の裏の焼却炉へ持って行きました。

110: Happy 01/09/15 04:30
焼却炉には病院から出たゴミが何個か置かれ、まだ焼却されていませんでした。

私は外のゴミの横にゴミ袋を置いて戻っていきました。そしてまた一人、患者さんが来られ、手術を終えてゴミ袋を持っていきました。

病院の外は既に暗くなっており、真っ黒な空に煙が上っていくのが見えました。きっと炉に火が付いたのでしょう。 

再び焼却炉の前へ来ると、側にあったゴミ袋は焼却炉の中に入れられてしまったのか、一つもなくなっていていました。 

私は焼却炉の側に袋を置いて帰ろうとすると、持ってきた袋が、ガサゴソと動いた様な気がしました。風でも吹いて動いたのだろうと思いましたが、袋の中でなにかが動いているように見えました。

もしかしたら……赤ちゃんが生きてるのかもと、私は袋を開けて見ました。 

そこには可愛らしい男の赤ちゃんが、手と足をバタバタさせて入っていたのです。

私は思わず抱き上げ、病院に急いで戻ろうとした時、急に目の前が真っ白になりました。

111: Happy 01/09/15 04:31
ここからは、看護婦仲間から聞いた事ですが、私が病院の中へ戻りナースセンターの前を通った時、看護婦仲間が私に気付いてびっくりしたそうです。

白衣や手が血だらけで、何かを持っているような格好で虚ろな目をし、どこかへ行こうとしているみたいでした。

声をかけても、体をゆすってもうつろな目をして、なんの反応も示さない私を心配して、先生を呼んで見て貰おうことにしました。 

看護婦の一人が先生を呼びに行き、私の側へ来てもらいました。

するといきなり先生の首を締め始め、ナースセンターにいた看護婦三人で先生から私を引き離そうと試みたそうですが、すごい力でまったく歯がたたなかったのです。

仕舞いには側にあったバケツに水を入れ、私に頭からかけて正気にもどそうとしました。

私は、頭から水を浴び、目を覚ましましたが、また目の前が真っ白になったかと思うと、その場に倒れてしまいました。

112: Happy 01/09/15 04:32
再び目が覚めると、仮眠室に寝かされていました。どうしてこんな所に寝かされてるんだろうと、全く覚えていませんでした。 

ナースセンターに顔を出した時、ビクッとした顔を外のナースにされました。「私、一体どうしたんだろう。」とキョトンとして言うと、安心した様な顔つきで、私のおかしかったことなどを教えてもらいました。

まさか……と思いましたが、確かに記憶の中に、赤ちゃんを抱っこしたような覚えがありました。

それに今考えたら、二ヶ月や三ヶ月の赤ちゃんが、お腹から取り出されて生きていけるはずが無いのに、生きた赤ちゃんを見た覚えがあるのはなぜなんでしょうか……。

113: 名無しさん 01/09/15 11:44
そんな事ってあるんですね。水子か~
117: 病院の怪談 01/09/16 01:59
私が病院に入院した時の話です。 

私は初めての入院に戸惑い、不安な気持ちでしたが「二日間、 検査のためだし、まっ良い噂の種だと思ってがんばるかぁ」と自分に言い聞かせ、入院しました。

昼間はあちこちに検査のために連れ回されて、かなり疲れてしまいました。病院に来て疲れるなんてと苦笑し、その日は早々に眠りに付く事にしました。 

何時間眠ったのか、ふと夜中に目が覚めました。シーンとした病院は昼間とは打って変わって、不気味な雰囲気が漂っているように見えます。

私は変な事を考えないようにしないと寝れなくなってしまうと、眠りに就こうとしましたが、トイレに行きたくなったので「いやだなぁ」と思いながらも廊下に出ました。 

部屋の外に出た私は、「こんな所にトイレあったっけ?」と思いました。

この階には確か一番奥にあったと記憶していたのですが、もう一つ部屋の斜め前にあったなんて、何故かまったく気付かなかったのです。私は自分自身に苦笑しながらトイレに入りました。 

中に入ると先客が何人か並んでいましたが、どうもおかしいのです。トイレの戸は全部空いたままなのです。

「あれ、この人たち何してるんだろう」と不思議に思いましたが、さっさと用を済ませ、早く部屋にもどりたいと思っていたので、「トイレ空いてますか?先に行かせてもらいますね」と、一言ことわって入ろうしました。

その瞬間、列に並んでいた最後のおばさんに手を捕まれて「あなたはここに来ちゃ行けないよ。早くここから出なさい。早く!」と、ものすごい剣幕で怒られました。

「トイレしに来ただけなのに、なんで怒られなあかんねん!」と思いながら、他のトイレに行くことにしました。

118: 病院の怪談 01/09/16 02:05
トイレで用を済ませて部屋の前まで帰って来た時、またおかしな事に気付きました。始めに行ったトイレがどこにもないんです。 

寝ぼけてたのかなぁと思いましたが、確かにおばさんに怒られた覚えがあるのに……。きつねに騙された気分でナースセンターへ行きました。 

ナースセンターには、二人の看護婦さんがあわただしく何かを用意していました。

「あのートイレは……」と言いかけた時、「トイレなら廊下の一番奥にあるわよ」と言われました。

「 一緒に行ってあげたいけれど、今急変した人がいて忙しいから、一人で行ってもらえますか?ごめんね」と、出て行ってしまいました。

廊下の奥にあるトイレは私がさっき入って来たトイレだと思うのですが、一体始めに行ったトイレは……。 

次の日に、私の部屋に居たおばさんが「昨日亡くなった人が居るんだって。可哀相にまだ若かったのに」と、隣のベットにいる人と話をしていました。

私はそれを聴いて(あぁ昨日の夜私がトイレに行った時、看護婦さんが忙しくしてたなぁ)と思い出しました。 

私は今日も検査のため部屋を出て、昨日トイレがあった所に目をやりました。

昨日部屋を出たり入ったりしていた時には気付かなかったのですが、そこは窓に白いカーテンが引いてあり、中が見えない様にしてありました。

一体ここはなんの部屋なのかなぁと思い、一緒に居た看護婦さんに聞いてみたら「あぁ、あそこは重傷患者さんが居る部屋よ」と教えてくれました。 

私が昨日見た人たちは、重傷患者の人たちだったのでしょうか……それとも、寝ぼけていただけなのでしょうか?

119: 名無しさん 01/09/16 02:09
入院生活でコワイと思う気持ちに毒されちゃったんじゃない??

120: 病院の怪談 01/09/16 02:13
…いえ、確かに目の前にあったんです。記憶は鮮明なんだけど、でも夢かなって気がしないでもない(笑)。

トイレだと思ってた場所はクローゼットになってて、モップとかトイレットペーパーなんかが詰みあがってました。

122: 名無しさん 01/09/16 02:23
精神病院では、患者が風邪をひいた時の死亡率が高いです。

よなよな布団を何度も剥がれ放置、やがて肺炎で死亡。

何かの遺志が働いているのでしょう。

【その7へ】